ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

小説

時をかける少女

『未来からきた少年 スーパージェッター』は、1965 年 1 月から 1966 年 1 月までテレビ放映されたアニメーションだが、脚本の一人として筒井康隆が参加している。いっぽう、筒井のジュブナイル小説『時をかける少女』は、学研の学習雑誌「中三コース」の196…

若い人 (2)

気になったので絶版になっている新潮文庫の古本を手に入れてみたのだが、 —— 次の夜、彼らは肉体でお互いの愛情を誓い合った。 となっていて、宮本百合子の引用には「肉体で」が欠落しているということがわかった。これは宮本百合子が引用する際に意識的に、…

若い人

混雑した通勤電車での不快さが更に募らされるときがあって、多くの場合そうさせているのは、いつの頃からかは覚えていないが車両の中に掲示されている書籍の広告である。 その電車の広告たちが紹介しているそれぞれの本は、ただの一度たりともそれを眺めてい…

The Love Nest / Ain’t We Got Fun

"The Great Gatsby" の第五章から。 When Klipspringer had played The Love Nest he turned around on the bench and searched unhappily for Gatsby in the gloom. “I’m all out of practice, you see. I told you I couldn’t play. I’m all out of prac —…

The Sheik of Araby

“The Great Gatsby” の第四章から。 When Jordan Baker had finished telling all this we had left the Plaza for half an hour and were driving in a victoria through Central Park. The sun had gone down behind the tall apartments of the movie sta…

Gilda Gray

F・スコット・フィッツジェラルドの小説 “The Great Gatsby” (1925) の第三章は、Gatsby の家の庭で開かれるパーティの場面であり、そこでは小説の語り手である Nick が初めて Gatsby と声を交わすという物語の展開とともに、第二章の Doctor T. J. Ecklebur…

ボヴァリー夫人

『「ボヴァリー夫人」論』(蓮實重彦, 2014) を読みながら、ギュスターヴ・フローベールの『ボヴァリー夫人』(Madame Bovary, 1857) のほんの一部を訳した。これ以上は訳すことはないと思うので、整理して以下の記事にしておく。 エンマの「美しさ」は、「美…

乳と卵

年末に本の片付けをしていたら、文庫本が出てきたので、久しぶりに読み直した。 作品の中に出てくる「細部」はそれそのものを表現していると同時に、それとは異なる何かを想起させることがある。この作品でいえば、巻子が緑子の頭についた玉子を拭ってやるた…

一葉『十三夜』

一葉の『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』のヒロインは、よく知られているように、作品の中で「厭や」または「嫌」という。『にごりえ』の女主人公、お力はその名高い独白の中で、 あゝ嫌だ嫌だ嫌だ という科白を二度も繰り返す。『たけくらべ』の美登利…