ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

ドリス・デイ

情欲の悪魔

ドリス・デイ追悼で『情欲の悪魔』(1955) を見る。正直、ルース・エティングはそれほど好きな歌手ではないけれど Rodgers & Hart が作った、10 セントのチケットで男性客のダンスの相手を一晩中する踊り子を描いた切ない “Ten Cents a Dance” は好きで、この…

ドリス・デイ追悼のために

アルフレッド・ヒッチコック監督の英国時代の作品 『暗殺者の家』(The Man Who Knew Too Much, 1934) の自身のリメイクである『知りすぎていた男』(The Man Who Knew Too Much, 1956) の前年に作られた、チャールズ・ヴィダー 監督で、ジェームズ・キャグニ…

Sometimes I’m Happy

「メディアミックス」というのは確か70年代から言われ出したと思っているが、「スタンダード」と言われている曲の多くはミュージカルや映画で使われた音楽がレコーディングされたものが多く、昔からメディアミックスじゃないかと思う。この曲だってもともと…

Dream a Little Dream of Me

“Dream a Little Dream of Me” は、ドリス・デイが歌う以外ほとんど考えられないのだが、最初にレコーディングされたのは 1931 年で、歌ったのは Ossie Nelson である。つまり、ハワード・ホークス監督の『リオ・ブラボー』(Rio Bravo, 1959)で、ただただ人…

ルース・エティング

20 世紀に本格的普及を始めた様々な複製技術にともなうアートをプラトニズムにのっとった「起源=オリジナル」とその「複製=コピー」といった枠組みで括ろうとするならば、米国のポピュラー音楽の場合、ルース・エティング (Ruth Etting) はまさにその「起源…

Love Me or Leave Me

ヘレン・モーガンとほぼ同じ時期にラジオ (アメリカでは 1926 年に放送が開始された) で特に有名だった女性歌手にルース・エティングがいるが 、彼女は 1928 年のフローレンス・ジーグフェルドのミュージカル “Whoopee!” (1930年公開のサミュエル・ゴールド…

Sentimental Journey

普段はテレビを見ないんだけど、土曜の朝にやってる「サワコの朝」だけは、“Tea for Two” が流れているのに気がついてから、毎回欠かさずという程ではないが、なんとなく見ている。今日は小林亜星さんがゲストで、80 歳をとうに超えておられるのにお元気そう…

Stardust

インドから帰国。予約していた『大砂塵』(1954) が届いていたが、流石にすぐに見る元気はなし。飛行機の中では『ダンケルク』(2017) を見た。ドリス・デイの『スター・ダスト』を聴く。英語のリスニングなんて抽象的な方法をいくら教えるよりも歌を聴けばい…

Tea for Two (2)

この曲が最初に登場したミュージカル “No, No, Nanette” の初演を 1925 年と書き、この曲も1925 年に初めて登場したかのように記載する Wikipedia (英語版と日本語版双方) は、明らかに正確さを欠いている。ミュージカル “No, No, Nanette” はブロードウェイ…

“Moon” がタイトルにある曲

それこそ何曲あるか知らないけど、思いつくまま何曲か紹介。トミー・ドーシー楽団でフランク・シナトラが歌った “Polka Dots and Moonbeams” は素敵な曲。“Polka Dots” とは「水玉模様」のこと。 デューク・エリントンの “Moonglow”。この曲もいろいろカバー…

娘十六ジャズ祭

この 3 月に 80 歳の誕生日を迎えた雪村いづみは、1953 年 4 月、16 歳のときに『想い出のワルツ』でレコードデビューしたが、同じ年に、井上梅次 (うめつぐ) 監督による新東宝作品『娘十六ジャズ祭』(1954 年1 月 9 日一般公開) に出演している。 井上監督…