ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

英語

Mashed Potatoes

時間がなかったので、ちょっと前に取り上げた英語の話題を補足する。 1. 「マッシュ・ポテト」ではなく「マッシュド・ポテト」と書こうと、それは「スマホ」と同じように結局、日本語なんだからどっちでも良いという気がするが、mushed potatoes の英語の普…

It’s My Party

1963 年の Lesley Gore のデビュー曲であり、Quincy Jones の最初のプロデュース曲でもある。 昨日の続きで、“Of course.” の f が通常、/f/ と無声化したり、”have to” や “has to” や “had to” の v や s や d が無声化したりするのは、別に特別な現象では…

鼻腔解放

下の曲を紹介した記事で、button の発音は息を溜めて破裂させる「閉鎖子音」/t/ の発音で息を破裂させるときに、次の子音 が同じ調音位置の /n/ なので、破裂した息はそのまま鼻腔に抜けていくという「鼻腔解放」を説明したことがある。なお、buttons and bo…

Stop! In the Name of Love

1965 年の The Supremes のこの曲は、キャンディーズやピンクレディーですら歌っており、ここであえて取り上げる積極的な理由など、どこにも見出せないのだが、バックのドラムが不気味なまでの機械的反復を刻む中で、ダイアナ・ロスが、そのリズムを超えた等…

Please Mr. Postman の歌詞

昨日、 “Please Mr. Postman” の歌詞書く暇がなかったので、もう一度掲載する。コーラスの部分は重なっているところがよくわからなかったりして省略した部分もある。”You better” はもちろん、”You’d better” の had が完全に省略されたもの。 (Wait)Oh yes,…

Johnny Get Angry

この歌詞、いまだと内容に問題があるなあとは思うものの、ヒットさせた歌手 Joanie Sommers は「ジョニー・ソマーズ」と日本語では表記され、曲の “Johnny Get Angry” の日本語タイトルは『内気なジョニー』で両方とも「ジョニー」になっている一方で、英語…

Scarlet Ribbons

これはクリスマス・ソングなんだな。下のもの以外にも数多くのカバーがある。歌詞は Patti Page のクリップにあるが、laying は lying の誤りであろう。lie と lay の違いって学校でさんざん勉強しているはずなんだけどネイティブの間違いを良く見る。それと…

Next Door to an Angel

1962 年のニール・セダカの曲で、とりたてて良い曲だとは思わないんだが、ある日本の曲を思い出したので。歌詞の “I'm on cloud number nine.“ は「天に昇ったような気分」という意味で使われる。”the lucky devil” は、「運のいい奴」と言う意味で、"the lu…

This Year’s Kisses

1937 年、ロイ・デル・ルース監督の映画 “On the Avenue” の中の曲として、Irving Berlin が作った曲。日本では1937年12月に『抓って頂戴』という素晴らしい題名で封切られたものの、当局の注意を受けて『陽気な街』という残念な名称に改題されている。こん…

You Were Meant for Me

昨日は時間がなかったので、シンプルな曲だから、よもや歌詞に間違いはないだろうとよく確認しないで、その辺にあるものを適当に貼り付けたら、これがおかしくて修正するのに却って手間取ってしまった。間違っていた部分に、 I love you and you alone were …

Save the Last Dance for Me

直前の記事で、“Save the Last Dance for Me” のDoc Pomus の歌詞を掲載しなかったので。”and in whose arms you're gonna be” の whose は僕には /uːz/ と発音され前後の n と a にリエゾン気味になって聞こえる。 1960: The Drifters: Towa Carson: Dion: …

Rhythm of the Rain

よく知られている1962 年の The Cascades のヒット曲。 英語のオノマトペには、yum-yum のように、まったく同じ音が繰り返される場合も多いが、この歌詞にある pitter-patter のように最初が i (/ɪ/)で、次が a (/æ/) になるようなパターンがあるなあ。たと…

When You Wish Upon a Star

1940 年のディズニー映画『ピノキオ』で Ukulele Ike こと、Cliff Edwards が歌った。よく使われる ”out of the blue” という表現は歌詞にある “like a bolt out of the blue” が約まったもの。「青天の霹靂」の「霹靂」は落雷のことだから洋の東西で発想が…

Where or When

1937 年に作られた Rodgers & Hart の名曲。歌詞に、 Some things that happen for the first time seem to be happening again. とあるように、初めてのはずなのに初めてとは思えない、いつかどこかで同じような経験をした気がするという内容になっている。…

far の語用

昨日の “Stardust” の歌詞に、 You wandered down the lane and far away, leaving me a song that will not die. という部分がある。far は単独では肯定文には使えないとされるが、away の程度を表す副詞としてなら肯定文においても使える。もちろん、far …

Champagne Taste

Ertha Kitt らしいパフォーマンス。貴方に私は高嶺の花なのよと、男をおちょくっている。“champagne taste on a beer budget” は、ビールしか買えないのにシャンぺンの趣味ということから、「身の丈に合わない趣味」という熟語にもなっている。 champagne の…

You know what time it is?

話題が戻って申し訳ないんだけど、”Do you know what time it is?” とか “You know what time it is!” は、やっぱりスラングとして使われることがあるんだなあ。インターネットに以下のような文章があった。これは、スタンダード曲の "I Didn’t Know What T…

Heart and Soul

Bea Wain が歌う “I Didn’t Know What Time It Was” が素敵だなあと思って後から記事に追加したんだけど、ニューヨークのブロンクス出身の彼女はほぼ一年前、ロスでお亡くなりになった。亡くなられたときは、100 歳であったというが、1930 年代の終わりには…

日常表現のずらし

前回の記事の "I Didn't Know What Time It Was"で、Lorenz Hart が誰もが知っている日常表現をたくみにずらすことで、 新しい意味を見いだしているその手腕に、 やっぱりこの当時の米国のポピュラー音楽は懐が深いなあと感心する一方で、 わけがわからない…

I Didn’t Know What Time It Was

Rodgers & Hart の愛の歓びが伝わってくる名曲だと思う。数多くのミュージシャンが演奏している。歌詞の最後に「いまや時がなんであるかを知っている(I know what time it is now)」といっているのに、邦題の『時さえ忘れて』にはガックリきてしまう。曲の趣…

The Siamese Cat Song

1955年の ディズニー映画 『わんわん物語』(Lady and the Tramp) の中の「シャム猫の歌」である。Peggy Lee が歌っている。Siamese の発音は、/sàiəmíːz/。 We are Siamese if you pleaseWe are Siamese if you don't pleaseNow we lookin' over our new dom…

L-O-V-E

Bert Kaempfert のインスツルメントもよい。 1964: Nat King Cole: ※ 日本語バージョン (V のところは very good といっている)] L is for the way you look at meO is for the only one I seeV is very, very extraordinaryE is even more than anyone that…

I Say a Little Prayer

「祈り」という意味で prayer を /pre̍ɚ/ と正しく発音できる人を調べると、結局、高い確率で1967 年の Dionne Warwick か 1968 年の Aretha Franklin の “ I Say a Little Prayer” を聴いたか、まれに南沙織の「潮風のメロディ」の LP の『小さな願い』をか…

Straighten Up and Fly Right

1943 年の Nat King Cole のヒット曲。タイトルは辞書にも「いい加減な気持ちを捨ててまっとうになる」という意味で出ている会話表現だが、もちろんこの曲からきている。この表現はstraighten up だけでも使われる。 straighten の最後の子音の連続は “Butto…

Over the Rainbow

この曲 (Have You Met Miss Jones?) はすでに紹介済みだが、1937年の Rodgers & Hart が作ったものを 1961 年に Sarah Vaughn が歌ったものである。スタンダードでは男性・女性を入れ替えて歌うのはよくあることだが、 Miss Jones を Old Jones に変えて歌っ…

They Say

1938 年の曲で当時、Artie Shaw 楽団にいた Helen Forrest が歌ったものがヒットした。Billie Holiday と Helen Forrest って、Artie Shaw 楽団で一緒に働いていた時期があるんだなあ。 1938: Billie Holiday Mildred Bailey Swing and Sway with Sammy Kaye…

A Lover’s Concerto

そういえば、Sarah Vaughn の S の後の a は /e/ で読む。augh は /ɑː/ でよい。 日本語の5つの母音と米語の母音を照らし合わせてみると「い」の附近にはより弛緩した /ɪ/ とより 緊張した /i/ がある。「う」の附近にはやはり、より弛緩した /ʊ/ とより 緊…

Stand by Me

YouTube で 2 億回近く再生されている1961 年のこの曲をここであえて挙げるのは別に人生観が変わったわけではなく、前の記事で挙げた “Oh, Carol” 以外にも /æ/ の発音の典型例をもう一つ挙げておきたかったからである。前の記事でもあったように darlin’ の…

/æ/ と /ɑ/

英語だと lingerie の発音は、/lˈænʒri/ で 綴字の i を /æ/ で発音するが、米語では /ɑ/ であるので、a 以外の文字で、/æ/ になるのは、彫刻家の Rodin (/rˈoʊdæn/ であるとか、「音色、音質」を意味する timbre(/tˈæmbɚ/) ぐらいの少数の単語に留まる。つ…

母音 /ʌ/

スタンダード曲を聴いていると “love” という単語がもの凄い頻度で出てくるので、さすがにlove の母音である /ʌ/ の音はいいのではないか。「あ」の音に近いがもう少し喉の奥で鳴らす音である。最近の母音図を見ると /ʌ/ を円唇にすると /ɔ/ になるような位…