音楽
最近、飯沢匡(ただす)の文章を読んでいて、「ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ」の作詞 (作曲は服部正) と「ブー・フー・ウー」の作詞 (作曲は小森昭宏) はともに飯沢匡ということにいまさらながら気がついた (“Rule of Three” といってしまえばそれまでだけれ…
YouTube にプレストン・スタージェスの『結婚五年目』(The Palm Beach Story, 1942) をデジタル修復したものがあったので、ちょっとだけ見てみようと思ったら、二回続けて見てしまった。ルディ・ヴァリー (Rudy Vallée) が演じる大富豪がなぜかフロリダ行き…
歴史的仮名遣いの練習。(字音仮名遣いは別として)「じ/ぢ」「ず/づ」、現代発音の「わ」「い」「う」「え」「お」の文字またはその前の文字が変わることがあるだけなのだが、なかなか自然にできるようにならない。手近に歴史的仮名遣いの『セロ彈きのゴーシ…
塾で小学校三年生に国語を教えていたら、「夕日が背中を押してくる」の詩が出ていた。この曲は個人的に懐かしいなぁ。小学生のとき女子が合唱コンクールでこの曲を歌ったことを思い出した。YouTube で一緒に曲を聞いた。
もうひとつ、ロイ・エルドリッチが出演している映像で印象的なのが、“After Hours” (1959 *1 ) という、おそらく 16 mm で撮影された 25 分程のショート・フィルムである。テレビプログラム向けに制作されたらしいが、結局スポンサーが見つからないまま放映…
「アメリカから遠く離れて」しまった現在の日本でこんな記事を書いてもしょうがないんだが、Clarence Williams' Blue Five が演奏する “I've Found a New Baby” を最近、YouTube で見つけてうれしかった。以前探したときには、この “I've Found a New Baby” …
塾が終わって家に帰っていると、西の空に沈み始めた月が見えた。理科を教えている子は、今日の月をもし見たら、上弦の月だと正しく判断できたかなと不図思ったりした。昼間はロウバイに黄色の花が咲き始めているのを見たが、また機会はあるだろうと思って写…
この間、近所にある「泉の森」で蕾が出ていたのを見かけたカタクリが、春分の日の今日、ふたたび行くと開花していた。大伴家持が井戸で水を汲む乙女たちに託して詠んだ気持ちもよくわかる可憐な春の妖精の姿であった。というわけで、ザ・ピーナッツの『乙女…
“I Ain’t Got Nothing But the Blues” の作曲はデューク・エリントンで下の演奏は1944年の録音だと思う。Duke Ellington - I Ain't Got Nothing But The Blues歌っている男性歌手は盲目のアル・ヒブラー。もちろん、20 世紀を代表するといってよいポピュラー…
デューク・エリントン楽団時代の演奏を何曲か聞く。1936: Lazy Man’s Shuffle: Duke Ellington & His Orchestra - Lazy Man's Shuffle (1936)1938: Boy Meets Horn Duke Ellington & His Orchestra - Boy Meets Horn - 19381938: Braggin’ in Brass: Duke El…
藤沢駅から長谷の大仏に向かって32号沿いを散歩していたときに、Fats Waller の “I Can’t Give You Anything But Love” を聞いた。1939 年の録音である。Fats Waller - I Can't Give You Anything But Love女性歌手は、ユナ・メイ・カーライル (Una Mae Carl…
休日、鵠沼海岸から茅ヶ崎海岸までファッツ・ウォーラーを聴きながら散歩していた。“Two Sleepy People” という曲は、愛し合って睡れないカップルが睡るために結婚したけれども、やっぱり睡れないという他愛もない内容の曲だが、ホーギー・カーマイケルの作…
最近、散歩しながらいつも聞いているのがエリントン楽団の “Never No Lament” なんだが、この 4 時間近くあるアルバムを多分死ぬまで聞き続けるのだろう。今日は “Jump for Joy” の Herb Jeffries が歌っている方の 1941 年のテイクを聴いているとなぜか涙が…
蓮實さんの『ジョン・フォード論』(序章) が明日発売の「文學界」に遂に発表される。さすがに待ち遠しい。手持ちのフォード作品の DVD の中から全部ではないが、30 本程は見直したばかりなので、読むための準備はある程度したつもり。ベトナム語の音に慣れる…
ベトナム語の /b/ と /d/ は、「非肺臓気流」による /ɓ/ と /ɗ/ で発音する人が多いとある。なんだ、この面妖な記号は?!と思い発音の解説を読んだら、わりと簡単にできるようになった。英語の /r/ を舌を盛り上げて発音する要領で、更に自分の舌を飲み込む…
前の記事の "Chênh Vênh" の歌詞の意味に今度は挑戦してみたが、難しくて歯がたたなかった 。しかしながら初めて覚えたベトナムの歌なので記念に記事にしておこう。"Chênh Vênh" の訳は、「情緒不安定」だと最低のような気がするので「あてどない気持ち」(ま…
ベトナム語の発音の仕組みの基本が理解できたところで、歌唱ではいったい声調はどう処理されるんだろうかと興味が湧いて、Lê Cát Trọng Lý という人の Chênh Vênh というゆっくりした曲を聴いてみる。やっぱり、音符には音節単位に歌詞がついていて、そこに…
アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』(1958) の次のシーンは見れば見るほど不思議で、蓮實重彥が「ルプレザンタシオン」(1992 年春 第三号) の「周到さからもれてくるもの ヒッチコック『めまい』の一シーンの分析」でとりあげているシーンでもある。その…
60 年代後半の西海岸の音楽シーンの一つの側面をごく浅く紹介。60 年代後半と限定したのは、もちろん、合衆国独立宣言から 200 年たった1976 年の「ホテル・カリフォルニア」でイーグルス (1971 年結成) が、 We haven't had that spirit here since 1969. …
いろいろと見ても、最近はそのすべての作品について書く気がない。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019) も見たけれどあまり書きたいと思わない。そもそも、タランティーノの映画とは昔からごく曖昧な付き合い方で、最初にタランティーノ…
ポール・スチュワートというと、ジョン・ハウズマンとオーソン・ウェルズが設立した「マーキュリー劇団」に初期から関与していた人物で、『市民ケーン』(1941) やロバート・オルドリッチ監督の『キッスで殺せ!』(1955) などに出演している。そのポール・ス…
ジョン・フォード監督の『リバティ・バランスを射った男』(The Man Who Shot Liberty Valance, 1962) を見直したので、この時期、ポール・アンカやニール・セダカほどではないにせよ人気があったジーン・ピットニー (Gene Pitney, 1941-2006) の曲を聞いてい…
1859 年というから南北戦争前であるが、ダニエル・エメットによって作曲された “Dixie” は、ジョン・フォードの作品でいったい何回使われているのだろうか?『リオ・グランデの砦』(1950) のフィナーレでは、ジョン・ウェインの傍でこの曲にあわせてモーリン…
この曲は、独立プロデューサー、ウォルター・ウェンジャーが『駅馬車』(1939) に引き続いて製作したジョン・フォード監督の『果てなき船路』 (The Long Voyage Home, 1940) で少なくとも三度はバックに流れる。まず、最初の字幕のところで流れ、次はイアン・…
総天然色シネマスコープにアップされる前田敦子 (若尾文子の映画が好きという) が山の頂きで突然歌い出す「愛の賛歌 (Hymne à l'amour)」にこれほどまで泣けるとは!『めまい』(1958) のように酔いしれ、『カリフォルニア・ドールズ』(1981) のように泣ける…
YouTube にジョン・フォードの『香も高きケンタッキー』(1925) の断片が存在している (いた) ことに驚く。 1936 年 (11 年子) の曲を何曲か。東京ラプソディ: 椰子の実: おしゃれ娘: アイルランドの娘: 花言葉の歌: 下田夜曲 (服部良一編曲) 二人は若い 都々…
若者が、実際に生まれてもいない 1960 年代をなぜ懐かしむのかを不思議に思う人の方が僕には余程不思議である。自分だって生まれてもいない時代の映画や音楽が好きである。逆にこの後期資本主義の時代に最新の流行を次から次へと追いかけて消費していくスタ…
三年あまり前の小津安二郎監督の誕生日でも命日でもある 12 月 12 日の「サワコの朝」に香川京子さんが出演されていたのをたまたまテレビで見て、『近松物語』(1954) や『東京物語』(1953) の大女優が語る日本語の美しさに聞き惚れたことと、岸洋子さんの歌…
数年前のサンダンス映画祭で話題となったドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』(Alive Inside, 2014) でも紹介されていたが、認知症の症状の緩和に音楽が用いられている。それがどこまで効果があるのか寡聞にして知らないが、人にとって特定の音楽 (パ…
これはさすがに昔見ているが、斎藤寅次郎監督の『東京キッド』(1950) を見る。この作品はいま見ても大変面白く、当時大ヒットしたのがよくわかるし、13 才の美空ひばりが、すでに卓越した歌手であることもわかる作品だ。二回歌われる仁木他喜雄が編曲した、…