ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

音楽

待ち遠しい

蓮實さんの『ジョン・フォード論』(序章) が明日発売の「文學界」に遂に発表される。さすがに待ち遠しい。手持ちのフォード作品の DVD の中から全部ではないが、30 本程は見直したばかりなので、読むための準備はある程度したつもり。ベトナム語の音に慣れる…

雑記

ベトナム語の /b/ と /d/ は、「非肺臓気流」による /ɓ/ と /ɗ/ で発音する人が多いとある。なんだ、この面妖な記号は?!と思い発音の解説を読んだら、わりと簡単にできるようになった。英語の /r/ を舌を盛り上げて発音する要領で、更に自分の舌を飲み込む…

Chênh Vênh

前の記事の "Chênh Vênh" の歌詞の意味に今度は挑戦してみたが、難しくて歯がたたなかった 。しかしながら初めて覚えたベトナムの歌なので記念に記事にしておこう。"Chênh Vênh" の訳は、「情緒不安定」だと最低のような気がするので「あてどない気持ち」(ま…

ベトナム語の発音 (3)

ベトナム語の発音の仕組みの基本が理解できたところで、歌唱ではいったい声調はどう処理されるんだろうかと興味が湧いて、Lê Cát Trọng Lý という人の Chênh Vênh というゆっくりした曲を聴いてみる。やっぱり、音符には音節単位に歌詞がついていて、そこに…

いろいろ

アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』(1958) の次のシーンは見れば見るほど不思議で、蓮實重彦が「ルプレザンタシオン」(1992 年春 第三号) の「周到さからもれてくるもの ヒッチコック『めまい』の一シーンの分析」でとりあげているシーンでもある。その…

60 年代後半の西海岸音楽

60 年代後半の西海岸の音楽シーンの一つの側面をごく浅く紹介。60 年代後半と限定したのは、もちろん、合衆国独立宣言から 200 年たった1976 年の「ホテル・カリフォルニア」でイーグルス (1971 年結成) が、 We haven't had that spirit here since 1969. …

ロリーナ

いろいろと見ても、最近はそのすべての作品について書く気がない。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019) も見たけれどあまり書きたいと思わない。そもそも、タランティーノの映画とは昔からごく曖昧な付き合い方で、最初にタランティーノ…

ペグ・ラセントラ

ポール・スチュワートというと、ジョン・ハウズマンとオーソン・ウェルズが設立した「マーキュリー劇団」に初期から関与していた人物で、『市民ケーン』(1941) やロバート・オルドリッチ監督の『キッスで殺せ!』(1955) などに出演している。そのポール・ス…

ジーン・ピットニー

ジョン・フォード監督の『リバティ・バランスを射った男』(The Man Who Shot Liberty Valance, 1962) を見直したので、この時期、ポール・アンカやニール・セダカほどではないにせよ人気があったジーン・ピットニー (Gene Pitney, 1941-2006) の曲を聞いてい…

太陽は光り輝く

1859 年というから南北戦争前であるが、ダニエル・エメットによって作曲された "Dixie“ は、ジョン・フォードの作品でいったい何回使われているのだろうか?『リオ・グランデの砦』(1950) のフィナーレでは、ジョン・ウェインの傍でこの曲にあわせてモーリン…

Harbor Lights

この曲は、独立プロデューサー、ウォルター・ウェンジャーが『駅馬車』(1939) に引き続いて製作したジョン・フォード監督の『果てなき船路』 (The Long Voyage Home, 1940) で少なくとも三度はバックに流れる。まず、最初の字幕のところで流れ、次はイアン・…

旅のおわり世界のはじまり

総天然色シネマスコープにアップされる前田敦子 (若尾文子の映画が好きという) が山の頂きで突然歌い出す「愛の賛歌 (Hymne à l'amour)」にこれほどまで泣けるとは!『めまい』(1958) のように酔いしれ、『カリフォルニア・ドールズ』(1981) のように泣ける…

香りも高きケンタッキー

YouTube にジョン・フォードの『香りも高きケンタッキー』(1925) の断片が存在している (いた) ことに驚く。 1936 年 (11 年子) の曲を何曲か。東京ラプソディ: 椰子の実: おしゃれ娘: アイルランドの娘: 花言葉の歌: 下田夜曲 (服部良一編曲) 二人は若い 都…

思い出の曲

若者が、実際に生まれてもいない 1960 年代をなぜ懐かしむのかを不思議に思う人の方が僕には余程不思議である。自分だって生まれてもいない時代の映画や音楽が好きである。逆にこの後期資本主義の時代に最新の流行を次から次へと追いかけて消費していくスタ…

疵千両

三年あまり前の小津安二郎監督の誕生日でも命日でもある 12 月 12 日の「サワコの朝」に香川京子さんが出演されていたのをたまたまテレビで見て、『近松物語』(1954) や『東京物語』(1953) の大女優が語る日本語の美しさに聞き惚れたことと、岸洋子さんの歌…

パーソナル・ソング

数年前のサンダンス映画祭で話題となったドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』(Alive Inside, 2014) でも紹介されていたが、認知症の症状の緩和に音楽が用いられている。それがどこまで効果があるのか寡聞にして知らないが、人にとって特定の音楽 (パ…

東京キッド

これはさすがに昔見ているが、斎藤寅次郎監督の『東京キッド』(1950) を見る。この作品はいま見ても大変面白く、当時大ヒットしたのがよくわかるし、13 才の美空ひばりが、すでに卓越した歌手であることもわかる作品だ。二回歌われる仁木他喜雄が編曲した、…

憧れのハワイ航路

斎藤寅次郎監督の『憧れのハワイ航路』(1950) を見る。岡晴夫と美空ひばりの歌が満喫できるなあ、この映画。それと、戦前の小津映画でおなじみの (たとえば、1932 年の『大人の見る繪本 生まれては見たけれど』) 吉川満子が出演しているのを見たときには嬉し…

没後30年

今年は美空ひばりの没後 30 年だったなあ。1937 年生まれの美空ひばりの舞台デビューは 、9 歳になった 1946 年 9 月、横浜市磯子の映画館「アテネ劇場」においてとされており、そのころの芸名は「美空和枝」であった 。彼女はそこでディック・ミネの「旅姿…

港に赤い灯がともる

海水魚って、どうやって水分補給するんだろうと不図、疑問に思ったが、やっぱり海水をゴクゴク飲んで塩分を体外に排出しているんだ。淡水魚は浸透圧の関係で、逆にエラなどから水が体内に吸収されていくので、積極的に水を飲まない。逆に体内の余分な水を外…

とりとめなく (2)

本当にとりとめなく聞く。日本特派員だったバートン・クレーンの歌を二曲。1931: (バートン・クレーン) 酒が飲みたい: ニッポン娘さん: ※ 東京の娘さんのところは「東京の娘さん、いかがです、銀座ガールつれない、いつでも冷淡」と言っている。名古屋の娘さ…

とりとめなく

これは小国英雄が脚本だけではなく、日活から東宝へ移籍し監督もした、『ロッパ歌の都へ行く』(1939) の断片だと思う。場所は日劇で、司会しているのが「悦ちゃん」なのかなあ (自信なし)。淡谷のり子が『雨のブルース』、上原敏が『親戀道中』、松島詩子が…

ワイントラウブ シンコペーターズ

憲法の意義を完全に無効にする全権委任法の成立によって独裁体制が合法化され、ヴァイマル共和国が無残にも崩壊し、20 世紀の悪夢となった第三帝国が生まれる三年ばかり前のドイツで、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグと新人女優マレーネ・デートリッヒが…

東京オリムピック

やがて敗戦という結果に至る時局により、実際に開催されることはなかったが、「大きなプロパガンダ効果が期待できる」としてアドルフ・ヒトラーが開催した 1936 年のベルリン・オリンピックに続く 1940 年の開催地は、二・二六と阿部定事件が起きた 1936 年…

情欲の悪魔

ドリス・デイ追悼で『情欲の悪魔』(1955) を見る。正直、ルース・エティングはそれほど好きな歌手ではないけれど Rodgers & Hart が作った、10 セントのチケットで男性客のダンスの相手を一晩中する踊り子を描いた切ない "Ten Cents a Dance" は好きで、この…

ドリス・デイ追悼のために

アルフレッド・ヒッチコック監督の英国時代の作品 『暗殺者の家』(The Man Who Knew Too Much, 1934) の自身のリメイクである『知りすぎていた男』(The Man Who Knew Too Much, 1956) の前年に作られた、チャールズ・ヴィダー 監督で、ジェームズ・キャグニ…

石松三十石船道中

大阪と伏見を淀川で結んだ「三十石船」は、広沢虎造の『石松三十石船道中』であまりにも有名であるが、1940 年のマキノ正博監督の傑作 『續清水港』のクリップがある。DVD は残念ながら販売されていないがフィルム・センター他では上映される機会がある。広…

アーカイブ

ゴダールの映画 『イメージの本』には海辺が出てくる。ゴダールの言うアーカイブとは、データベースのことではないと思う。それは海辺に打ち上げられた漂流物のようなものである。それはまず人によって発見されねばならないが、それだけではなく、その断片の…

カンボジアの潮来笠

カンボジアの国民的歌手 シン・シーサモットが録音した『潮来笠』があった。 ※ この曲 、「バタンバンの花」は初めて聴く気がまったくしないけれど、どうしても思い出せない。

上原敏の股旅物

上原敏の股旅物を一部だが聴く。『鴛鴦道中』なんて、マキノ雅弘の映画の主題歌じゃないか。あまりにも歌が上手いので、突然、マキノの『弥太郎笠』が見たくなって、萬屋錦之助の方 (1960) にするか、鶴田浩二 (相手役の二十歳ぐらいの岸惠子が可愛い) の方 …