ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

理科

プリズム

神奈川県公立高校入試, 理科の問題は最初にプリズムの問題だった.プリズムに関しては, 下の図からわかるようにという関係がある. はもちろん定数で, 「三角柱」 が「正三角柱」なら である.高校入試では定番の太陽光発電パネルの問題も出ていたが, これも発…

蛇紋岩

蛇紋岩を拾って暫し見つめていた.地球のマントル上部を主に構成するといわれる美しい緑色をした橄欖(かんらん)岩は非常に不安定で, 地表になにかの拍子で上がってくる過程で水に触れると化学的に変質してしまい, 名称からしてなにやら禍々しい蛇紋岩と呼ばれ…

2023 年度神奈川県公立高校入試問題から (3)

数学の問題はこれ以上記事にするようなものはないので, 理科の問題を見た. 理科の問題はやさしいので, 油断して (あるいは長い問題文にウンザリして) 問題をよく読まないで解答をしさえしなければ完答できると思う. 馬鹿らしくなって雑になってしまうような…

ダニエル電池

高校入試問題を見ていたらダニエル電池に関する問題が出ていて、その問題自体は興味をそそられるものではなかったが、不図、ダニエル電池の起電力を計算しようと思ったら熱力学を忘れている。以下は単なる忘備録である。異種金属を接触させると一方がすぐに…

散歩 (5)

午後過ぎ迄用事があったし、少し時雨てもいたので近くを散歩することにし、町田駅から境川沿いを上流に向けて歩いて古淵の鵜野森公園にある露頭を見に行った (相模野面)。横浜線は凡庸だなあと思っていたが、境川と並行して走っているのを見るとなかなか良い…

雑記

この前散歩に行ったときに、相模川右岸の中津原面の方から相模野台地が河岸段丘だとわかる写真を撮った。この前見つけた貝の化石を眺めていたら、以前から言われている海洋の酸性化のことを考えてしまった。最近は学校で教え始めているところもあるようだけ…

散歩 (4)

またまた同じ方面を散歩した。大山ばかり撮っているので、丹沢山の方を撮った。ツキガイモドキ (ルシノマ) 属の一種と思われる化石を前回に引き続き、合弁の状態で見つけた。陸から海底に有機物が堆積すると、その堆積した有機物の分解の過程で酸素が速やか…

散歩 (3)

性懲りもなくまた同じ場所へ散歩へ行った。「無人駅」「ホームはひとつだけ」「前に人家がある」その他もろもろが気に入って、JR相模線の下溝駅を使って移動することが一番多い。三度目になると、だんだん色々なことがわかってきて、化石採集の方も、殻付き…

散歩 (2)

中津層群周辺の散歩が面白かったので、新年早々また出かけた。相模野台地が相模川の河岸段丘ということは知っていたが、段丘崖をじっくり見たことがなかったので、前回の散歩以上に面白かった。見たのは相模川の現在の河床 (氾濫原) と下段の陽原(みなばら)…

散歩

天気が良いので、いつもより遠出して相模川の上流、中津層群が露頭に見られる方まで出かけた。中津層群の地質年代は、新生代第三紀の終わり (後期鮮新世) から、第四紀の初め (前期更新世) の、約 350 万年から 200 万年前で、河川ではなく海で堆積した地層…

陥没地帯 (172)

高校物理も、音のドップラー効果と交流回路をやれば、ほぼ一通り説明したことになる。さて、音のドップラー効果だがこんな説明をするかすまいか迷っている。1) 観測者が静止音源に一定速 で近づく場合16 歳のアインシュタインは光を追いかける夢を見たそうな…

陥没地帯 (165)

前にも書いたような気がするが、高校物理の薄膜の干渉のところで、屈折率が大から小の媒質に反射では位相の変化がなく、屈折率が小から大の媒質では位相が π だけ変化するというのは、説明が難しいなあと思っていた。ところが、 R. P. Feynman の "QED: The …

陥没地帯 (142)

塾で波の復習をした。高校生でも比を分数に直せなかったり、もたもたする子がいるという。中学生には確実にいる。比 、割り算 、分数 の基本的な同一性は、少なくとも中学生ぐらいまではくどくても説明しなければいけないのだろう (それにしても、分数だけ分…

陥没地帯 (140)

ボケもたくさん品種がある。 早咲きのニリンソウ。本格的な開花はこれから。 ヒメカンスゲだと思われる (スゲ属は分類が難しいことで有名)。先端にあるのが雄花、途中に (ぼけてしまったが) 三つほど見えるのが雌花。 ツバキ。 高校物理の範囲だと、電気回路…

陥没地帯 (137)

フキノトウ。 サンシュユ。 交流のところだと、まず、ケーブル (伝送路) を含む、一般の電気回路の入出力信号間で、正弦波の周波数はなぜ不変に保たれ、振幅と位相の変化だけを考えれば良いかということが基本中の基本である。それは、システムが「線形時不…

陥没地帯 (136)

神奈川県公立高校の入試日だったなあ。まだ、問題全部やっていないけれど、理科は最初の 4 題だけ解いてみた。下にあげたのは植物の問題。2 は違うなあ。コケの根のように見えるのは仮根である。シダの地上に出ているのは、みな葉っぱである。茎は横に這う地…

陥没地帯 (134)

夜、塾から帰宅していると、この時期月は出ていないし、空気は澄んでいるし、駅から家に帰るには南西を直進するので、晴れた日には豪華な夜空の星が眼の前に拡がって見えるのがとても美しい。「冬の大三角 (Winter Triangle) *1」や「冬のダイヤモンド (Wint…

陥没地帯 (130)

ウメ。 今年の大学入学共通テストの物理の問題を解いてみた。ひとつだけ例をあげる。問題文で注意しないといけないのは、抵抗値 は単位長さあたりのものだということである (抵抗値は長さに比例する)。最初の設問は、で、ローレンツ力でもファラデーの電磁誘…

陥没地帯 (129)

国立天文台のホームページには面白いことがいっぱい書いてある。 春分と秋分の日には、昼と夜の長さは等しくならない。 これは二つ大きな要因がある。まず、日の出、日の入りは太陽の中心でなく、日の出は太陽が少しでも見えたとき、日の入りは全部沈んだと…

陥没地帯 (128)

立春は 1985 年以来、2 月 4 日だったんだが、今年は 2 月 3 日である。中学理科の復習だが、3 月末が春分で、地球は太陽の周りをほぼ 1 年かけて (北極星から見て反時計方向に) 回るから、3 ヶ月ごとに、夏至、秋分、冬至となる。その中間に、立夏、立秋、…

陥没地帯 (127)

カンコザクラ。合弁花だなあと見ていたら、数日前、中学生に植物の分類を説明したときに、タンポポはなぜ合弁花なのかという、たぶん非常によくある質問をされたことを思い出した。胞子と種子はどこが違うのかも説明したし、シダの茎はどれかも説明した。高…

陥没地帯 (126)

また、高校物理の話。この前、静磁場のところに入ったら、いきなり「磁気力に関するクーロンの法則」とかが出てきた。自分は共軛とか双対の話はなぜか好きなんだが、これだけは嫌だなあ。これは本当に「法則」なんだろうか?そこでは、まず電気量クーロン に…

陥没地帯 (123)

沈丁花の蕾が紅く色づきはじめたのを見ながら、花が咲く時期を楽しみにしている。塾で物理を教えはじめたときには、下から数えた方が早かった高校二年生の子が、いまは成績上位のクラスに入ったと報告してくれた。時間が経つのは早いなあ。先日はダイオード…

陥没地帯 (113)

塾へ行く道すがらにソヨゴの木があって、いつも赤い実と葉のバランスに見惚れている。入試が控えているので塾が忙しい。今日は普段やらない高校入試国語の「文学的文章」という奇妙な名称のもので、仕様がないので問題集の中から独断と偏見で幸田文の『木』…

陥没地帯 (112)

藪柑子が出てくる俳句をいろいろと見ていると、岡田史乃という方の 日没は四時三十二分薮柑子 という句もとても面白いなあと思って、日の出、日の入りの時刻をネットで調べていたら、中学の理科とかでは太陽の南中する時刻は (同じ経度で) 一定と習うけれど…

陥没地帯 (106)

塾が終わって家に帰っていると、西の空に沈み始めた月が見えた。理科を教えている子は、今日の月をもし見たら、上弦の月だと正しく判断できたかなと不図思ったりした。昼間はロウバイに黄色の花が咲き始めているのを見たが、また機会はあるだろうと思って写…

陥没地帯 (105)

高校物理では、角運動量の保存が面積速度一定としてしか出てこないので補足しておく。二次元極座標の計算は面倒なので複素平面でやった方が簡単な場合がある. , をそれぞれ, の実数部、虚数部と解釈すればよい. を求めるには, を 回転させて (つまり をかけ…

陥没地帯 (103)

前の記事までで、速度図の関係、が得られたので、後は、 に注意して、 から、が得られ、これを について整理すると、となって、とおけば、 の値によって楕円、放物線、双曲線を与えるお馴染みの極方程式が得られた。離心率 はで は速度円の半径だから、話し…

陥没地帯 (102)

この前のケプラーの法則を高校物理とは関係なくまとめておこう。運動方程式は単純で、だが とおいて、にしておく。 は動径方向の単位ベクトルで、 である。ケプラーの第二法則と同じ意味である角運動量が保存することが重要で、定数である角運動量の大きさ …

陥没地帯 (100)

塾で高校生に物理を教えている。何をしているかというと、たとえば、慣性の法則がいかに不気味な法則であるかを気長に例をだしながら言い続けているだけである。作用反作用の法則や、遠心力や、内部エネルギーについても同じである。たいした経験もまだして…