ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

英語の勘所

英語の勘所 (20)

聴覚過敏になると嫌なので /l/ と /r/ の違いを日本人がわからないというのは、「わかりやすさ」からくる嘘に過ぎないというところから始まった一連の記事はここで唐突にまとめて終えることにする。 そもそも /l/ と /r/ の音がどう違うかはすでに研究結果が…

英語の勘所 (19)

インターネットに下の例でなぜ in を使うのかイメージが湧かないとあったので、あえて書くことにする。 List the names in alphabetiacal order. まず、集合を思い出してもらって 俺の家族 = {母ちゃん、俺、娘、息子} と書くとすると in (俺の家族) という…

英語の勘所 (18)

「前置詞の倒置」というべき事柄について書いてみる。すでに何度も断っているが、ここで書いているのはあくまでも遊戯的で個人的な見方に過ぎないもので一般的な正しさを主張するつもりは毛頭ない。ただ、少数の「例外」や「瑣末なこと」や「古いもの」とし…

英語の勘所 (17)

The sun is on the horizon. という文章では、時間が経過すると the sun の位置は “above the horizon” “below the horizon” の二つの可能性があるわけだが、自分の第一印象としては “above the horizon” の方を選択してしまう。やはり前置詞 on があると、…

英語の勘所 (16)

もちろん、それが正しいというつもりは全然ないが、自分の中ではいつの頃からか、前置詞 AT の基本的意味は「一致させること」になっている。“X AT Y” という関係において、 X と Y を一致させること。なにについてかというと、主に次の 5 つがある。 1)空…

英語の勘所 (15)

これって、だれかのブログを勝手に引用しているんだけど、昔はこんな文章読んでも楽しかったなあ。太字のところなんか、コンタクト・レンズの中で寝ていたり、何ヶ月もそこで生活するって、なんかシュール!と思ってとても楽しめたのだ。 Last weekend was h…

英語の勘所 (14)

なんかネタがないので、インターネットで「英語学習」のサイトを見ていたら、刺激を受けるどころか、だんだんムカムカしてきてすぐに見るのを止めてしまった。例えば、下のようなことが書いてあった。 たくさん英文を読んだり聞いたりしていると、「“He grad…

英語の勘所 (13)

最近はようやく「連結動詞」みたいなことが説明されてきているので、たとえば equal が「他動詞」だなんて、未だに信じている人もまさかいないと思うけれども、関連する話題として動詞 make について書いておく。 動詞 make には、下のように TYPE 1 のよう…

英語の勘所 (12)

このシリーズの一番最初に書いたことの補足にあたる記事である。 あまりにも初歩的な話で申し訳ないが、動詞の enter が「部屋に入る」みたいな場合 誤:I entered to the room.正:I entered the room. で、「それは enter が他動詞だからで、そういうもの…

英語の勘所 (11)

分詞構文について、ごく基本的なことを確認しておく。まず、受験英語的でとても厭なんだが、接続詞や関係詞をあくまで「機械的に」分詞構文に書き換えてみる。なお、例文の中で助動詞がある場合には分詞構文ではなく to 不定詞で書き換える必要がある i) Wh…

英語の勘所 (10)

英語の文章を読むには、並列構造の把握が重要ってことを前回書いたつもりだが、同格構造の把握っていうこともあるだろう。たとえば、前に取り上げた “The Great Gatsby” から例を取ってみる。 In consequence, I’m inclined to reserve all judgments, a hab…

英語の勘所 (9)

以下は、民法からの引用であるが、法律の文章は、「および」「並びに」「かつ」という接続詞はその使用が厳密に区別されているし、「又は」「若しくは」といった接続詞も等位の階層が違う。そのことは、法律を普段読んでいる人には常識だろうが、普通の日本…

英語の勘所 (8)

前の記事の補足である。 英語動詞の「現在形」はもちろん、現在のことを示すものではない。 There times three equals nine. (動詞はequal) は別に今だから正しいことでなく『茶目子の一日』が歌われた時代だってそうだったろう。 The train leaves at seven…

英語の勘所 (7)

少しでもやる気のあるうちになるべく書くことにする。 20 世紀前半の音楽を聞いたり、映画を見たりすることにたいして、「好きだから」以外の回答として、その時代の作品を「過去形」として捉えてはならず「現在完了形」として捉えねばならないからだという…

英語の勘所 (6)

ここでは、動詞 (主要動詞) の後の目的語として ing-動名詞、 to-不定詞 (まとめて「補語」と呼ぶ) のどちらをとるかという、高校受験勉強 (megafeps!) 以来の古い問題をごく簡潔に考察してみることにする。もちろん、この考察は個人的な仮説でありいつでも…

英語の勘所 (5)

ほぼ半年ぶりにこのシリーズに関する記事が更新されるという事実は、今後もこの領域での記事が作成されることを支持するものでは些かもなく、それどころか作成者の「英語の原理主義」に対する嫌悪感は日毎単調に募るばかりであり、それでも書くことをなんと…

英語の勘所 (4)

英語について書こうという気がまったく失せてしまっているので、このシリーズは遅々として進まない。 日本語と英語の間では語を「参照」するやり方が違う。たとえば、日本語では トム、ここにいるよ。トムはあなたにプレゼントをもってきたんだ。 と言えば、…

英語の勘所 (3)

定冠詞について。まず大事なことは、不定冠詞は初出の場合しかつけられないが、定冠詞は初出でも、既出でもつけられるということ。 既出の名詞に定冠詞 the をつけるのは絶対である。これは不注意でさえなければ、それほど難しいことではない。 A man was we…

英語の勘所 (2)

英語の文章を読むときに頭から読む訓練をしなさいということが言われるが、具体的には英語の複文を動詞が出現する順序をなるべく崩さずに読むことかなあ。 日本語だと、動詞の連体形 (名詞にかかるときの動詞の活用)でほとんどどんな名詞でも修飾できてして…

英語の勘所 (1)

日本語で「太郎は髪を切った」と言うとき、実際に太郎の髪を切ったのが散髪屋さんであったなら、英語では × Taro cut his hair. とは言いにくい。これだと「太郎自身が自分の髪を切った」ということになる。実際に髪を切った散髪屋のことは触れないで「髪を…