ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

リスニング

Save the Last Dance for Me

直前の記事で、“Save the Last Dance for Me” のDoc Pomus の歌詞を掲載しなかったので。”and in whose arms you're gonna be” の whose は僕には /uːz/ と発音され前後の n と a にリエゾン気味になって聞こえる。 1960: The Drifters: Towa Carson: Dion: …

When You Wish Upon a Star

1940 年のディズニー映画『ピノキオ』で Ukulele Ike こと、Cliff Edwards が歌った。よく使われる ”out of the blue” という表現は歌詞にある “like a bolt out of the blue” が約まったもの。「青天の霹靂」の「霹靂」は落雷のことだから洋の東西で発想が…

The Siamese Cat Song

1955年の ディズニー映画 『わんわん物語』(Lady and the Tramp) の中の「シャム猫の歌」である。Peggy Lee が歌っている。Siamese の発音は、/sàiəmíːz/。 We are Siamese if you pleaseWe are Siamese if you don't pleaseNow we lookin' over our new dom…

I Say a Little Prayer

「祈り」という意味で prayer を /pre̍ɚ/ と正しく発音できる人を調べると、結局、高い確率で1967 年の Dionne Warwick か 1968 年の Aretha Franklin の “ I Say a Little Prayer” を聴いたか、まれに南沙織の「潮風のメロディ」の LP の『小さな願い』をか…

Straighten Up and Fly Right

1943 年の Nat King Cole のヒット曲。タイトルは辞書にも「いい加減な気持ちを捨ててまっとうになる」という意味で出ている会話表現だが、もちろんこの曲からきている。この表現はstraighten up だけでも使われる。 straighten の最後の子音の連続は “Butto…

Over the Rainbow

この曲 (Have You Met Miss Jones?) はすでに紹介済みだが、1937年の Rodgers & Hart が作ったものを 1961 年に Sarah Vaughn が歌ったものである。スタンダードでは男性・女性を入れ替えて歌うのはよくあることだが、 Miss Jones を Old Jones に変えて歌っ…

A Lover’s Concerto

そういえば、Sarah Vaughn の S の後の a は /e/ で読む。augh は /ɑː/ でよい。 日本語の5つの母音と米語の母音を照らし合わせてみると「い」の附近にはより弛緩した /ɪ/ とより 緊張した /i/ がある。「う」の附近にはやはり、より弛緩した /ʊ/ とより 緊…

Stand by Me

YouTube で 2 億回近く再生されている1961 年のこの曲をここであえて挙げるのは別に人生観が変わったわけではなく、前の記事で挙げた “Oh, Carol” 以外にも /æ/ の発音の典型例をもう一つ挙げておきたかったからである。前の記事でもあったように darlin’ の…

/æ/ と /ɑ/

英語だと lingerie の発音は、/lˈænʒri/ で 綴字の i を /æ/ で発音するが、米語では /ɑ/ であるので、a 以外の文字で、/æ/ になるのは、彫刻家の Rodin (/rˈoʊdæn/ であるとか、「音色、音質」を意味する timbre(/tˈæmbɚ/) ぐらいの少数の単語に留まる。つ…

母音 /ʌ/

スタンダード曲を聴いていると “love” という単語がもの凄い頻度で出てくるので、さすがにlove の母音である /ʌ/ の音はいいのではないか。「あ」の音に近いがもう少し喉の奥で鳴らす音である。最近の母音図を見ると /ʌ/ を円唇にすると /ɔ/ になるような位…

I Will Follow You

Follow の米語の発音は、/´fɑloʊ/ である。日本語にない発音のオンパレードであり、ストレスも最初の音節にかかる。/ɑ/ の音は直前の love にある /ʌ/ と比較することができる。どちらも非円唇である(非円唇とは、円唇でなければ音はどれもそんなに変わらな…

綴りと発音

すでに紹介した Ella Fitzgerald の “Bewitched, Bothered, Bewildered” は 20 世紀が残した美しい名唱だと個人的に思っている。 当然であるが、この曲だけでなく、英語の歌はライムに注目して聞く習慣をつける必要がある。詩や歌に限らず、ライムというのは…

Goodbye Mr. Tears

1965 年の浜口庫之助の曲だが、日本で一番ヒットした Johnny Tillotson の EP が家にあって聞いていたなあと思い、下の 2:44 から始まる英語の方(A面)を聴いてみたが、なかなかリスニングの参考になる。/f/ の発音するときって、上の唇が邪魔だったらアヒル…

音節のリズム

一般論だけど書くことないので。 個人的にそう思っているにすぎないのだが、赤ちゃんが言葉を覚え始めて「マーマー」とか「マンマ」とか言い始めるのは偉大な進歩 だと思う。言葉が分節されていることを理解したのだ。 英語のリスニングも、英語の音の分節の…

Suppose

1967 年のエルヴィスのホーム・レコーディングをダブしたもの。 Suppose no rose should ever grow againSuppose no brook should ever flow againSuppose no star should ever glow againSuppose you didn't love me Suppose there were no bees or butterf…

脱・日本語なまり

神山孝夫さんが書かれた「脱・日本語なまり」という本にある発音のテスト10題は極めてわかりやすく、自分の発音をチェックするのに有効だと思う。もちろん、これだけでは不足だと思うけど、後、何題か付け加えれば実用的には充分という気もする。20 題以内で…

/m/ < /n/ < /ŋ/

簡単にいうと「広東麺」でも「ワンタン麺」でもいいのだが、三つある単語の「ん」の最初は英語の /n/ で次の「ん」が英語の/m/ で最後の「ん」が英語の /ŋ/ である。 皆、同じ 「ん」にしか聞こえていないんだとしたら、やっぱり日本語のフィルターがかかっ…

Yesterdays (再掲)

英語の例示として何かというとビートルズの ”Yesterday” が使われる退屈さを避けるために、すでに取り上げた “Yesterdays” を再度取り上げてみる。 この中から、Billie Holiday の 1952 年の録音を下に挙げて、歌詞も掲載しておく。 Yesterdays YesterdaysDa…

続く母音にあわせて高さが変わる子音

少し前の記事で、音節の最初(onset)で子音が連続する場合、その最大数は 3 で、先頭の子音は必ず /s/ 、その次にとれるのは破裂型の /p/, /t/, /k/ のどれかで、最後の子音は /l/, /r/, /w/, /j/ の共鳴型のどれかであると書いた。例をもう一度挙げると spla…

英語の勘所 (20)

聴覚過敏になると嫌なので /l/ と /r/ の違いを日本人がわからないというのは、「わかりやすさ」からくる嘘に過ぎないというところから始まった一連の記事はここで唐突にまとめて終えることにする。 そもそも /l/ と /r/ の音がどう違うかはすでに研究結果が…

子音の連続

なんかしつこ過ぎだと自分でも思うのだが、”Love Me Tender” を聞いてみる。 歌詞にある英語と米語で綴りが違う fulfill (米語綴り) という単語は f が 2 回出てきて l が 2 回出てきて、英語の発音や聞き取りの練習にうってつけである。発音は最初の l で側…

母音 + 子音

しつこくて申し訳ないが、 1) 子音+母音2) 母音 +子音 の 1) の方で、英語の無声子音の場合には子音と母音の間隔が長いので、その間に「声」ではなく「息」の音だけの期間があることを説明したつもりである。英語のリスニングで大事なことの一つは、この「息…

気息の必要性

前の /l/ と /r/ の関連でさらに補足する。 1) 子音 + 母音2) 母音 + 子音 で子音と母音が重ならなければ、無声子音であるが、日本語では 1) の無声子音の場合、子音と母音の間隔があまりにも短すぎて、喋っている本人すら別々に音を出しているという認識が…

/l/ と /r/

前の記事の /l/ と /r/ について書くことにする。/l/ と /r/ がどういう音かを復習してみる。アメリカ英語では /l/ は多くの場合、舌先を上歯茎の上の方につけて中央から出る空気を遮り、舌の両側面から空気を部分的に出すことで達成される。なお feel のよ…

聞き取り

あまり書くことがないので、またまた Presely の “Love Me Tender” をネタにする。 この曲を取り上げた元々の意図は、L の音が共鳴しているところ (“All my dreams fullfilled” みたいなところ) が、この曲の一番の聴かせどころでしょうってことを示したかっ…

I’ll Take You Home Again, Kathleen

エルヴィス・プレスリーは、1958 年に 2 年間の徴兵通知を受けて西ドイツの米国陸軍基地で勤務しているが、その間の 1959 年にこの曲を私家録音したものが残っている。ピアノはプレスリー自身によるものであろう。 前の記事にあえてプレスリーの後年の録音を…

リスニング

個人的に振り返ってみて、英語のリスニングについて色々なことを教えてくれたなあと思いあたる素材をほんのいくつか並べてみる。学習初期のリスニングって結局1,000 回, 10,000 回聴いても飽きない素材にいかに出会うかってことだと思う。 ※ Annabel Lee by …

L の聴き取り

ジョージ・キューカー監督の『恋をしましょう』(1960) の原題は ”Let's Make Love" である。とにかくイヴ・モンタンがおかしいし、コール・ポーターの ”My Heart Belongs to Daddy” のシーンは、マリリン・モンローが素晴らしく大好きな映画である。ミルトン…

ボインが好きな「ベッド」と残念な「ベット」

西洋から輸入され、睡眠やその他の目的にも供される「台」のことを英語では "bed" という。 この語の発音が日本語の体系に移行するとき、「モーラ」と呼ばれる「拍(はく)」を作る必要から「べ」と「ド」の音が生じる。 なんとも不可思議な「原音主義」が、…