ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (74)

イシミカワ。 イエギク。 ハマギク。茨城から青森の太平洋岸に自生する野菊のひとつ。栽培もされる。 アサバソウ。 マダガスカルジャスミン。モクセイ科のジャスミンの仲間ではなく、キョウチクトウ科である。香りはよい。 ミズレンプ。この実は食べられる。…

陥没地帯 (73)

ヒョウタンウツボカズラ。貧土壌という環境で、虫を誘引する遺伝子、耐病性のために細菌やウィルスを死滅させるため細胞の外に分泌される酵素を作る遺伝子、危害を与える小動物を滑らせるワックス遺伝子などを活用して光合成の機能も維持しつつ食虫植物とし…

陥没地帯 (72)

昨日陶芸家のところに行った帰りに、そこら中に頭を出している四方竹の筍をもらった。四方竹の筍は地上に出ているものを折り採るだけだから楽である。秋の筍はとても美味だった。ノブドウ。 シロホトトギス。どこへ行ってもホトトギスが咲いているので変わり…

陥没地帯 (71)

以前、港町についてつらつら考えたことがあって記事にも書いたことがあるが、『スパイの妻』(2020) は神戸が舞台で、そのことは前作がウズベキスタンであったのと同じくらい、この作品の内容と関係しているなあと思っている。 カラスウリ。寺田寅彦が昭和七…

陥没地帯 (69)

カンボケ (寒木瓜) というには早いので返り花といったほうがよいかもしれない。 コウヤボウキ (高野箒)。オケラの花は探し方が悪かったのか見つからなかった。 カシワバハグマ (柏葉白熊)。キク科コウヤボウキ属である。9 月 20 日に見たときは蕾だったが、…

陥没地帯 (68)

イエギク。普通にいえば菊。 ホウキギ。育てている女性と話をした。ひたち海浜公園にあるものが素晴らしいそうである。 ジギタリス。 アカネ。染料にするのは根であり、色は朱色から赤。初めての日の丸の赤は茜染だったとある。ムラサキ (紫草) の花は白で、…

陥没地帯 (66)

シオン (紫菀)。神奈川県には自生していない。背が 2m ぐらいになる。 サネカズラ (実蔦)。「さ寝」(男女が一緒に寝ること) の音の響きをもつことと、蔓であり「絡む」「長い (待ち遠しい)」の類推もあって相聞歌ではよく使われる。また、「葛を繰る (たぐり…

陥没地帯 (64)

ナンバンギセル。『萬葉集』卷 10 の秋の相聞歌 2270 番 (作者未詳) の存在が、この植物を日本で非常に有名にした。 道の邊(へ)の尾花(をばな)が下の思ひ草 今さらさらに何をか思はむ道邊之 乎花我下之 思草 今更尓 何物可將念 この「思ひ草」がどんな草であ…

陥没地帯 (63)

昨日、陶芸家のところに行ったら、陶芸家が外に出て上を見ているので何をしているのかと思ったら、近所の人が屋根に梯子をかけてアケビの実を採っているのを手伝っているのだった。実が割れたのはもう採られてしまった後なので、写真は蔓に残っていたもので…

陥没地帯 (62)

稲刈り時期の畔を歩くとイボクサの花が咲いていた。ツユクサ科の一年生の草で水稲栽培には雑草となるが、花はなかなか可憐だ。前にも触れたがツユクサの花弁は実際は三枚でイボクサも同じである。また仮雄蕊があるのもツユクサと似ている。 オジギソウ。小葉…

陥没地帯 (61)

コスモス。 カントウヨメナ。 キンモクセイ。まだ咲き始めだなあ。 インドソケイ (プルメリア)。

陥没地帯 (60)

クコ (枸杞)。薬膳や杏仁豆腐で使われる赤い実でお馴染み (ほとんどが中国産)。クコについてはちょっとインターネットを見ただけでも奇怪な情報で溢れている気がする。 相模川の石河原を歩いていたら、野菊がたった一株、一輪だけ咲いていた。神奈川県の絶滅…

陥没地帯 (59)

アキノノゲシ。稲作が伝来した時期に日本に帰化した植物といわれている。舌状花 (筒状花はない) は淡い黄色である。ウサギが好きだという乳草のひとつ。アキノノゲシはレタスと同じ仲間であり、レタスの花は見たことがないが似ているという。 ソバ (蕎麦) の…

陥没地帯 (58)

泉の森の水辺にミゾソバ (溝蕎麦) の花が咲き始めている。葉っぱの形からウシノヒタイとも呼ばれる。蕾のときは金平糖のようだ。 同じく泉の森でノササゲの花が咲いているのを見つけた。実の形は莢隠元みたいだが、熟すと紫色になる。 シソ科のエゴマ (荏胡…

陥没地帯 (57)

シラヤマギクが森の中でひっそりと咲いていた。 マルバフジバカマ。北アメリカ原産。最初に野生化したのが発見されたのは、箱根町の強羅周辺で、1915 年頃だという。余談だが、神奈川県の帰化植物の割合 (帰化率) は最新のものは知らないが、1933 年 4.1%、 …

陥没地帯 (56)

なんとなしに、国立遺伝学研究所のページを見ていたら、一般向けに書かれた「コムギの話」が読み物として大変面白かった。イネのこともよく知らないが、コムギはそれに輪をかけて知らないということがよく分かった。もちろん、戦前に遺伝子研究でコムギの祖…

陥没地帯 (55)

滅多にテレビは見ないけれど、「クローズアップ現代+」は録画を見た。カンアオイを見つけた。そっと根元を見ると、花があった。もしかしたら実なのかもしれない。前川文夫さんが書かれた『植物入門』にある「1 万年で 1 キロ」には、洪積世 (100万年) より少…

陥没地帯 (54)

ナツエビネ。9 月下旬だが咲いていた。神奈川県では絶滅危惧 1A である。 ツリフネソウが咲き揃ってきた。 これは、ユウガギクではないかと思った。最近のテーマ音楽は文部省唱歌 「野菊」である。もっとも二番の歌詞しか覚えていない。この国民学校第三学年…

陥没地帯 (53)

キキョウは終わりかけだと思っていたらまだ綺麗に咲いていたのでまた撮った。 お彼岸なのでおはぎでも食べようと思って、折角食べるのだから中国から輸入している加糖餡を使ったものは味気ないなあと思って和菓子屋さんで粒餡のものを買った。「おはぎ」と「…

陥没地帯 (52)

秋の装いになったベニシジミが野菊 (カントウヨメナだと思う) の筒状花から筒状花へと順繰りに蜜を吸っている。 カントウヨメナだと思う。 ユウガギクだと思う。 シロヨメナ。 ネコハギ。葉に毛がある。 ヤマニガナ。もう花は最後ぐらいだった。 ウド。「う…

陥没地帯 (51)

キカラスウリの雌花。雌雄異株である。雌花は蕾の段階から子房が目立つ (写真では見えない)。ポリネーターはカラスウリと同じくスズメガだそうである。塊根には大量のデンプンを蓄積して、「天花 (瓜) 粉」の原料だったらしい。いまならベビーパウダーという…

陥没地帯 (50)

この辺りに自生する野菊としては、すでに取りあげたユウガギクとカントウヨメナ以外に、ノコンギク、シロヨメナ、シラヤマギクがある。もっとも、相模川の河原にはカワラノギク (絶滅危惧種) が、江の島にはハマコンギクがあるのだから、「この辺り」はあく…

陥没地帯 (49)

前回に引き続き、それではカントウヨメナと思われるものはないか、カワセミがきていた水辺をもう一度探したら、もしかしたらそうかもしれないと思うものがあった。舌状花の色が紫がかっているのはユウガギクにも数は多くないが希というほどではなく存在する…

陥没地帯 (48)

この前の野菊をもう一度見てみたがカントウヨメナ (または ヨメナ) かユウガギクのどちらかだということはわかった。たぶんユウガギクだと思う。理由は最長の側枝が 20 cm 以上の個体が多いということである。区別するためにあれこれ観察したり考えたりして…

陥没地帯 (47)

またもヤマホトトギスを見つけた。今度は花糸に紫斑がある。写真は撮らなかったが別の場所で、もう一つヤマホトトギスを見た。そちらは花糸に紫斑がなかった。 アオツヅラフジ (カミエビ)。念のため断っておくと有毒とされている。 オトコエシ。 タイアザミ…

陥没地帯 (46)

小津安二郎監督が『お茶漬けの味』(1952) の頃から晩年まで暮らした家が近くにあったという北鎌倉の浄智寺から長谷まで山道を散歩した。ハグロソウ。花弁は二枚しかないように見えるが、きっと癒合しているんだろう。 ムラサキニガナ。毛があるのでケムラサ…

陥没地帯 (45)

シロバナマンジュシャゲ。 クズ (葛) の花をもう一度。 花が咲いていなくて大変残念だが、キレンゲショウマ。地面を見ると、暑さのためか開かないで蕾のまま落ちているように見受けられる。京都大学の植物分類学の初代教授である小泉源一氏が名付けた「ソハ…

陥没地帯 (44)

また、ヤマホトトギスらしき植物をみつけた。前回と違って、今回は群落ができていた。ヤマホトトギスとヤマジノホトトギスの違いは依然よくわからないが、これもヤマホトトギスだと思う。一番混乱する記述は、ヤマホトトギスは花糸に紫斑があるとしているこ…

陥没地帯 (43)

ホトトギス。漢字は「杜鵑草」で、うっかり「杜鵑花」と書くとツツジの「サツキ」のことになってしまう。「杜鵑花」の方はホトトギスが鳴くころ咲くのでこうあてるそうだ。こちらの「杜鵑草」は、模様がホトトギスに似ているから。なお、英語名は "toad lily…

陥没地帯 (42)

トケイソウ。 ハナシュクシャ (ジンジャー・リリー)。とても良い香りがする。 シュウメイギク。 ヤブツルアズキの方だと思う。龍骨弁が渦を巻く不思議な構造の花である。 フジカンゾウ。 ヤマハギ。写真ではちょっと分かりにくいが、翼弁が龍骨弁よりも短い…