滅多にテレビは見ないけれど、「クローズアップ現代+」は録画を見た。
カンアオイを見つけた。そっと根元を見ると、花があった。もしかしたら実なのかもしれない。前川文夫さんが書かれた『植物入門』にある「1 万年で 1 キロ」には、洪積世 (100万年) より少し前 (つまり、現在定義されている更新世?) の古い山地にしかカントウカンアオイはなくて、三浦半島と房総半島が浦賀水道で切れていなくてまだ地続きだった頃に房総半島に渡ったとある。*1
カンアオイは、地際についた実から種子が落ちるので親の株から 10 cm と離れることはできず、また、花を開くまでには早くて 5 年はかかかるそうだ。これらのことから、前川さんは子孫が拡がっていく速さは 1 万年で 1 km と見積っており、実際にこの植物が自生している範囲 からも大体は当たっているのではないかと述べられている (100 万年だから 100 km の範囲)。カンアオイ属は世界で約 120 種程あるが日本にはそのうち 50 種以上あるそうである。極端に移動の速さが遅い植物がゆえに逆に日本の植物としては有数の種の多様性がもたらされたのかもしれず、いろいろ考えさせられる。千葉雅也の『動きすぎてはいけない』を思い出したりもした。
キツネノマゴ。
コンギク。ノコンギクの園芸品種である。
マンジュシャゲが満開である。
*1:ちなみに日本列島がユーラシア大陸と地続きでなくなったのは一万年程前に過ぎない。「100万年より少し前」は下の図のようになっていた。