ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (73)

ヒョウタンウツボカズラ。貧土壌という環境で、虫を誘引する遺伝子、耐病性のために細菌やウィルスを死滅させるため細胞の外に分泌される酵素を作る遺伝子、危害を与える小動物を滑らせるワックス遺伝子などを活用して光合成の機能も維持しつつ食虫植物として進化したといわれている。

マユハケオモト。雄蕊の花糸が目立つ花が眉刷毛で、葉が万年青 (オモト) だからマユハケオモト。

イランイランノキ。シャネル 5 番を初めとして様々な香水にこの花の香りがブレンドされている。花を早朝つみ取って、すぐに花弁を10 時間以上かけて蒸溜し精油 (エッセンシャル・オイル) をとる。1 kg の精油をとるのに 50 kg の花が必要という。主な供給地はコモロ諸島 *1だそうである。

ゲンペイカズラまたはゲンペイクサギ。源平(ゲンペイ)と名がつくのはゲンペイコギクのように紅白にちなんでのことである (源氏: 白旗、平氏:紅旗)。アフリカ原産で明治期に渡来したという。白い部分は萼。

ナワシログミ。ナツグミは落葉樹であるが、ナワシログミは常緑樹である。葉の裏の銀色が特徴的である。実は春にでき食べられる。単花被花 (花被が外花被と内花被に分かれていない花) であり、花被片は花弁ではなく萼片とする。

*1:モザンビークとマダガスカルの間に位置するインド洋の島々で、グランドコモロ島、アンジュアン島、モヘリ島、マヨット島の四島から成る。国家は 1975 年にフランスから独立したコモロ連合だが、四島の内、マヨット島だけは住民投票の結果仏領 (領土的共同体) のままである。人口は四島あわせて 90 万人ほど (2012)。近くの深海にはシーラカンスが生息することで知られる。