ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (50)

この辺りに自生する野菊としては、すでに取りあげたユウガギクとカントウヨメナ以外に、ノコンギク、シロヨメナ、シラヤマギクがある。もっとも、相模川の河原にはカワラノギク (絶滅危惧種) が、江の島にはハマコンギクがあるのだから、「この辺り」はあくまでも曖昧な表現に留まっている。

ノコンギクは下の写真のように蕾があればすぐにわかるし、花をひっくり返して先が紫がかることが多い総苞片の方からよく見れば冠毛が観察できることがある。葉脈は三行脈 (葉の付け根近くから主脈と左右ニ本の太い第一側脈に比較的明瞭に分かれる) である。

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シラヤマギクはとても背が高くなって 1 m を越えるのは普通だし、葉でも区別できる (他種に較べてずっと幅広い)。そもそも舌状花の数が少ないしつき方が不揃いでもあるので間違えようがないと思う。よい花が見つからなかったので、下の写真は機会があれば撮り直す予定。

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シロヨメナは花が小さいのでこれも区別は難しくない。総苞は筒状である。葉と茎は黒っぽい。葉脈は三行脈。写真のものは、山道の日陰に生育していた。山地性と思われるので水際で陽当たりのよいような場所で見ることは少ないと考えられる。しばしば、東海地方以西に生育する別種のヤマシロギク (イナカギク) が別名として使われる。また、ヤマシロギクは呼び方が上記のシラヤマギクに似ているので混乱に拍車をかける。これらの混乱は実体とは関係のない、人為的な記号表現レベルでの混乱である。

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ついでにハキダメギク。もちろん牧野富太郎先生の命名である。北アメリカ原産。

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ダイコンソウ。見るたびに撮ろう撮ろうと思っていたけれど、やっと撮れた。花が終わっていなくて良かった。

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