また、ヤマホトトギスらしき植物をみつけた。前回と違って、今回は群落ができていた。ヤマホトトギスとヤマジノホトトギスの違いは依然よくわからないが、これもヤマホトトギスだと思う。一番混乱する記述は、ヤマホトトギスは花糸に紫斑があるとしていることだが、この群落に咲いている花は調べた範囲では花糸に紫斑があるものなどなかった (前回あげた写真には認められる)。思うにこれは、花糸に紫斑が認められるならば、ヤマホトトギスとほぼ考えてよいが、逆は一般に成立しない、つまりヤマホトトギスで花糸に紫斑がないものは存在してもよいということである。
また「花被片が反り返る」という記述も曖昧だが、これは花被片が下に凸か上に凸かの違いで、ヤマホトトギスは下に凸が多く、ヤマジノホトトギスは上に凸であるかほぼ平らが多いというぐらいに理解することにした。特に重要なのは花被片の長さ方向が下に凸か上に凸かということである。インターネットでいろいろな写真を見て学習した結果では、この単純なルールがいまのところもっとも精度良くカテゴライズできそうなので、この写真はヤマホトトギスとしている。
※ 花被片: 花弁 (内花被) と萼 (外花被) が形態として区別できないとき——たとえば、単子葉植物であるユリのような場合——こういう。