ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (62)

稲刈り時期の畔を歩くとイボクサの花が咲いていた。ツユクサ科の一年生の草で水稲栽培には雑草となるが、花はなかなか可憐だ。前にも触れたがツユクサの花弁は実際は三枚でイボクサも同じである。また仮雄蕊があるのもツユクサと似ている。
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オジギソウ。小葉に触れると次々と小葉が折れて閉じていく運動を見るのは楽しい。中学校の理科で勉強したように、植物の細胞には細胞壁があるが、細胞壁に包まれた動物細胞に対応する部分を総称してプロトプラストと呼ぶ。プロトプラストは普通の状態では水分を多く含んで、その圧力 (膨圧) で周りの細胞壁を強く押している。ところが、水分が不足すると細胞壁への圧力が低下するので植物は萎びる。オジギソウの葉の基部には葉枕細胞と呼ばれる運動細胞があり、この細胞の内外へ、いわば水圧ポンプのように水を出し入れする仕組みをもっている (カリウムイオン濃度制御により浸透圧を変える)。オジギソウの小葉には興奮性細胞が分布していて、刺激が加えられると、その部分にある興奮性細胞に活動電位が発生し、次々に別の興奮性細胞に伝播していって、それぞれの葉枕細胞にまで達し、その電気パルス信号で葉沈細胞のポンプが作動していくといわれている。これを最初に発見し報告したのは、いまのバングラデシュ (当時はベンガル管区) で生まれた物理学者でもあり植物学者でもあったジャガディス・チャンドラ・ボースである。(Bose 粒子の Bose は別人物である。また新宿中村屋に一時期身を置いてカレー料理を伝授した革命家ボースとも別人物である。)
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白花のゲンノショウコ。今年、いままでに白花を二回、赤花を二回見ている。
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オモダカの雌花 (上) と雄花 (下)。おせち料理などに使われるクワイは栽培品種である。これも畔にあった。
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チョウジタデ。アカバナ科である。同じく畔にあった。
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キンモクセイは開花期間が数日である。もう満開状態。
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