高校数学
年度はわからないが, 名古屋市大の問題らしい. 長い問題文だが, 個の要素をもつ集合 から 個の要素をもつ集合 への全射写像の個数を求める問題である. 全射なのだから という条件がある. ディユドネが, 「現代数学では, 写像を つのモノと考えることが基本的…
散歩道にいつも見ているのとは別のイイギリがあることに初めて気がついた. どうして, いままで気がつかなかったんだろう.前回の問題は, 実際に練習しないとなかなかコツや本当のところがわからない. のスターリング数は高校では教えないと思うんだが, 入試問…
年, 東大理科後期の問題. 基本的なことを考察させる問題なので, とりあげることにした. 問 は重複順列, 問 は重複組合せ, 問 は, (第 種) スターリング数, 問 は自然数の分割に関連している問である.【問】 【解】 積の法則から 通り. ボールに区別がなく, …
年京大理系後期の問題. 重複組合せを使って, 最小限の場合分けで, すっきり解く.【問】 【解】次の 通りの場合分けをすればよい.イ) ロ) イ) の場合:記事 と同様にして, の組の個数を求めることは, , , , , の の整数解の組の個数を求めることと同じである. …
記事 がきっかけで, メナージュの問題 *1について書いている. 直前の記事を使って, 記事 の入試問題における大人 人, 子ども 人のときの子どもの配置の仕方は, 通りであることを示す. 証明は, 高校数学でも場合の数のところで必ず習う, 集合の包除原理を使っ…
前の記事からの流れでメナージュの問題関連について考察する.この記事では, 重複組合せについて重要な基本を復習しておくことにする., を正の整数としたときに, 未知数 に関する方程式,の負でない整数解の個数は, 重複組合せにより,となる. これから, 正の整…
年宮崎大の問題. それぞれの場合分けごとに, 繊細な差異が生じていることに気がついて, 楽しめる一題. 撹乱順列 (完全順列 / モンモールの問題) よりもさらに条件が複雑である.※ この問題は, その後, Ménage numbers and ladies-first solutions そのもので,…
数え上げの問題で「全単射による証明」を目にするたびに, 「賛嘆措く能わず」という気分になるのだが, この証明について, 初等的にきちんと解説したものはあまり見受けられないのではないかと思う. 英語版の Wikipedia の “bijective proof” の項はよくまと…
数学検定 級の 次の問題を塾でやっていたら, 【問】 において の 等分線と辺 との交点を とするとき, を証明しなさい. //という問題があった. これは, 記事 ですでに証明済みで,円 に内接する の の二等分線が、辺 と交わる点を , 円周と交わる点を とすると…
年横浜市大の問題. 巨大な整数 (合成数) *1の素因数分解は, 現時点で実用化されている手段では非常に困難であるということにもとづいた 暗号 *2 に関して, もし, トーシェント関数の値 を知ることができたら, 公開されている を素因数分解することは容易であ…
オイラーのトーシェント (ファイ) 関数で, が成り立つことを高校数学範囲で証明してみた. とか の値を求めよなんていう入試問題があったが, はともかく, を集合の包除を使って数え上げるのは時間の無駄にしか思えない. 【問】 正の整数 , について, , が互い…
年京大文系の問題. そんなに難しい問題ではない. 【問】 【解】 法 で考える. のときは明らか. のときは, と は互いに素なので, フェルマーの小定理により, がいえる. 問 の結果から の範囲で考えればよい. 再び法 で考えれば, に注意して,である. から, は…
年大阪教育大学の問題. 最近の記事のちょっとした練習問題. 直前の記事の最後の方につけたのは, 基本的にはカルダノの解法であるが最後は三角関数で解を表している. カルダノ解法のような有限回の純粋な代数手続きにおいて, 次方程式が有理数で既約で, すべ…
を題材に, 関連事項を確認する. まず, ヴィエトの解法として知られる 角関数を使った 次方程式の解法である. すでに, 積分の記事で扱ったが 倍角の公式は,であった. とおいて最初の方程式に代入してみると,となるので, と定めて, である を の範囲で求めると…
記事 (255) で, 年の東大文科の問題を解いたが, そのお蔭で今回の 年の神戸大の問題には, 新たな気づきがあった.前の東大の問題の最後の方で, 問の方程式を変換して,を得たが, 今回の問題はこの変換した方の方程式が対象になっている. 直前の記事の内容も踏…
というのは, とても便利な恒等式である. その有用さは, 不等式の証明のときもそうだが, のとき,という条件付き等式が成立することで特に際立つことがある.【例 】【例 】【例 】 のとき,この条件付き等式を使って 年, エヴァリスト・ガロア生誕 年を記念して…
年, 京大理系の問題. データは規格化して扱うという方針で最初やってみたが, 結局最後はそんなことをしなくても解けることがわかった, あっけない問題である.【問】 個 ( ) の実数 があり, 各 は他の 個の相加平均よりも大きくはないという. このような, の…
前の記事の相加相乗平均の証明は, もともとはコーシーによるものだそうだが, この数学的帰納法の証明型, “Forward-Backward Induction” *1 を使って, すでに記事 で一度解いたことのある 年京大理系の難問を見直してみる. というのも, “Forward-Backward Ind…
年の横浜国大の相加・相乗平均の不等式の証明についての問題だが, ここで使われている数学的帰納法の型が面白い *1. まず問 と問 によって, ( は自然数) で正しいことを示し, さらに問 で, その前の自然数でも正しいことを示すことで, 命題を証明している. …
年の東大文科の問題. 前の理科と同じ 番の問題で, こちらは 次方程式の問題である. の誘導の意図がわからないうちは, 立方完成 (チルンハウゼン変換) なんかしないで, まっとうに解く方が良さそうで, そうすれば, 実際に素直に解けてしまう問題である. が (…
難問揃いで知られる 年の東大理科の問題のひとつ. 眠いし, かなり難易度高いので, まず問 だけやった. も普通に解こうとするとすごいことになりそうなので, 記事 の平均変化率の方法を活用して解くことを考えた.※ 問 もその後, 解いたので, この記事に追記す…
ちょっと古いんだけど, 年の東大文理共通問題. 証明を書くまでに実験が必要.【問】 【解】 実験により, と仮説をたてたので, これが正しいことを以下のように証明する.なお, 以下に用いる合同式はすべて法 で考える.必要条件: ならば, , , となって, に の倍…
ファインマンの経路積分は難しいけれども, ファインマンの微分は, 大学入試問題にも使える. 年の大阪大学理系の問題から.【問】 【解】 のとき, だから, である. 対数関数は単調増加だから, のとき, , のとき, である. したがって, は, で最大値 をとる.と表…
年の東大理科の問題. これも記事 同様, 問 の不等式を問 でどう使うのかという問題. ただ, の不等式よりは, まだ人間的というか, 類推できる形をしていると思う.問 では, の正負で場合分けしたくないがために ではなく, をかけたのが大失敗で, 階微分まで計…
記事 の問題 ( 年東大) の問題を前回の二項定理を使った方法で解き直す. 前のよりはだいぶすっきりしたなあ. 念のため, 基本定理の証明を最初にしておく.【基本定理】 標数 の素体 *1 の任意の要素 , について,が成立する。【証明】 左辺を二項定理で展開し…
あっという間に解けてしまってつまらなかった京大 (2003年), 東大 (2015 年) の問題. 最初の京大の問題の類題は昨年の大学入試でも他の大学から出題されているので, いまや定番問題といえる. 今年の西暦を使った整数問題も定番である. 今年は, であったので,…
組立除法は要らないとか, 一応知っているだけという人がいるかもしれないので, あえて書くのだが, そういう人って, もしかしたら,とか与えられていて, を求めるときに,を計算して, と出しているのかもしれない. 組立除法を使えば,となって, こちらの方が早い…
年東大理科の問題. この問題は、直前の記事 に出てきた, が並ぶ数字, つまりレプユニット数に関する問題である. (素数であるレプユニット数は, 現在まで 個以下しか見つかっていないにもかかわらず, 無限にあると予想されており, これは未解決問題である.) …
年東大理科. 容易に設問の意図がつかめず, 誘導であるはずの の不等式をどう使うのか, あれこれ悩まされる問題となっている. まず, この問題をやる前に, 次のことを理解するとよいかもしれない (余計わからなくなるかもしれないが……).たとえば, , の計算を同…
同じく, 年東大理科の問題. 積分計算だけの問題はホッとする. すでに数 積分については解説済みなので, ここでは計算だけする. この問題は, つの計算の中にいろいろな側面が入っているので, 記事 の問題に続き, 積分計算練習問題セットの 問目だなあ. 【問】…