組立除法は要らないとか, 一応知っているだけという人がいるかもしれないので, あえて書くのだが, そういう人って, もしかしたら,
とか与えられていて, を求めるときに,
を計算して, と出しているのかもしれない. 組立除法を使えば,
となって, こちらの方が早い気がする. 進法を
進法に変換するのだって, たとえば,
進法で,
ならば,
と計算する方が早いのではないだろうか.
たとえば, の
での接線の方程式は, もちろん微分係数を計算して求めることができるが,
を組立除法を使って
で
回続けて割って,
とすれば, 接線の方程式は, で, 接線の
以外のもうひとつの交点は,
だとわかる.
組立除法は, 計算機科学でいう Horner 法と基本的に同じ手法であり, 最も少ない加算と乗算の演算回数で 次の多項式の評価を行うことができるアルゴリズムである. かけ算をたくさんやりたい人以外は, 使わない手はないと思う.
※ 整式 を
で割って, その商を
, 余りを
とする. すなわち,
さらに, として, 商
を
で割って, その商を
, 余りを
とする. このとき,
となる. ,
だから,
つまり,
となるので, 整式 を
で割った商をさらに
で割った余り
は,
が
から
まで動いたときの平均変化率を表わすのである.
【例 】
点
,
,
を通る
次関数を求めよ.
【解】求める 次関数は,
とおける. は, 点
, 点
の間の平均変化率で,
となり,
これに の座標を代入し
から,
を得る. 以上から,
//
【例 】
まず, で割って (最初に
で割っても構わないけれど……),
さらに商を で割って余りを求める.
したがって, . 求める積分は,
である.//