ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (266)

数学検定 2 級の 2 次の問題を塾でやっていたら,

【問】
 \triangle ABC において  \angle A2 等分線と辺  BC との交点を D とするとき,

 AD^2 = AB\cdot BC - BD\cdot CD

を証明しなさい. //

という問題があった. これは, 記事 (186) ですでに証明済みで,

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 O に内接する  \triangle ABC \angle A の二等分線が、辺  BC と交わる点を  D, 円周と交わる点を  M とすると,  \triangle ABD \triangle AMC は相似だから,

 \displaystyle{\frac{AB}{AD}=\frac{AM}{AC}}

したがって,

 \displaystyle{AB \cdot AC=AD \cdot AM}

で, これに方べきの定理を使って,

 \displaystyle{\begin{align}AB \cdot AC &=AD \cdot AM\\&= AD(AD+DM)\\&=AD^2 + AD\cdot DM\\&=AD^2+BD\cdot DC
\end{align}}

とすればよいが, なかなか思いつきにくい証明なので, スチュワートの定理を用いた別解を考える.

【別解】
まず, スチュワートの定理は覚えていないので証明する.

 \angle ADC = \theta とすると,  \angle ADB= \pi- \theta であり,  \triangle ADC \triangle ADB に余弦定理をそれぞれ使って,

 AC^2 = AD^2 + DC^2 - 2AD\cdot DC\cos \theta

 AB^2 = AD^2 + DB^2 +2AD\cdot DB\cos \theta

 BD: DC = m:n として,

 m AC^2 + nAB^2
\\ \quad = (m+ n) AD^2 + mDC^2 + n DB^2

これがスチュワートの定理である.

いまの場合,  AD は角 A2 等分線で,  BD: CD = AB:AC = m:n だから, たとえば,

 mAC^2 = mAC\cdot AC = nAB\cdot AC

とでき, スチュワートの定理から,

   (m + n) AB\cdot AC
\\ \quad = (m+ n) AD^2 + (m+ n)BD \cdot CD

となる.  m+ n \neq 0 から,

 AD^2 = AB\cdot AC - BD \cdot CD

である.//

※ 中線定理 (パップスの定理) は,  BD: DC = 1:1 として,

 AB^2 + AC^2= 2 (AD^2 + BD^2)

と得られる.