年京大文系の問題. そんなに難しい問題ではない.
【問】
【解】
法 で考える. のときは明らか. のときは, と は互いに素なので, フェルマーの小定理により, がいえる.
問 の結果から の範囲で考えればよい. 再び法 で考えれば, に注意して,
である.
から, は法 のもとでの原始根であり,
と表わすことができる. すると, のとき, つまり, のとき,
となる. のときは, 再びフェルマーの小定理から (または から),
したがって, この問におけるわたくしの好きな自然数は で, である.//
※ 記事 で以下を証明しておいた. フェルマーの小定理はこれからすぐにでる.
が素数のとき,
これから, 帰納法を使って,
を示すのは容易である. として,
から, フェルマーの小定理が得られる. すなわち,
また, であれば,
と表わすこともできる.*1//
※ 法 ( は素数) のもとで 乗したときに「初めて」 となる (つまり位数が となる) 整数 を法 のもとでの原始根という. ここでは, 原始根の性質については証明がいるような使い方はしていないし, 容易なので省略する. *2 原始根は法 の場合, 個 *3 存在し, の他に がある. 原始根の存在定理の証明はガウスによって初めてなされた. 素数 を法とする剰余系 (環) は標数 の素体 (体の要素数が, 素数 個である有限体. なお有限体は可換である) だが, その体の乗法群は位数 の巡回群であり, 原始根はその巡回群 乗法群の生成元になっているということである.//