年東大理科の問題. この問題は、直前の記事 に出てきた, が並ぶ数字, つまりレプユニット数に関する問題である. (素数であるレプユニット数は, 現在まで 個以下しか見つかっていないにもかかわらず, 無限にあると予想されており, これは未解決問題である.) もっとも前回の問の本質は, レプユニット数というよりは, 連続する素数の積でもあるシエラザード数 *1がもつ性質 () の発展形という趣きがある. 「シエラザード数」の命名はもちろん, 「千夜一夜物語」からきている. と を対比させた文学の他の例として, 「伊勢物語」の次の歌がある.
秋の夜の千夜を一夜になせりとも
ことば残りてとりや鳴きなむ
【問】
自然数 に対し,
を で表す. たとえば , , である.
を 以上の整数とする. は で割り切れるが, では割り切れないことを示せ.
が で割り切れることが, が で割り切れるための必要十分条件であることを示せ.
【解】
問題の主張を数学的帰納法で証明すればよい.
とき, だが, は では割り切れないので成立する.
したがって,
だが, は, で割り切れ, では割り切れないので, に帰納法の仮定を使うと は, で割り切れ, では割り切れない.
必要条件であること:
は で割り切れるので, でも割り切れるから, の の個数 は で割り切れる. したがって,
とおくと,
のように書ける.
()
から,
()
つまり,
()
であるが, と は互いに素であるので,
()
であり, は で割り切れる.
十分条件であること:
は でも割り切れるので, 先程とまったく同じ議論をすれば,
()
となるが, は で割り切れるのだから,
(
である.
//
*1: だから , , の倍数判定法は同じ方法が使えることがわかる. つまり, 調べたい数字を下から 桁ずつ区切り, 下から奇数番目のグループと偶数番目のグループの和をそれぞれ計算し, 両者の差が , , の倍数であるかどうかをそれぞれ調べればよい. 例: の場合, 奇数番目の和は , 偶数番目は で差は, . なので の倍数, なので の倍数, なので の倍数ではない. の倍数は, を計算してもよい.