ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (247)

 2008 年東大理科の問題. この問題は、直前の記事  (246) に出てきた,  1 が並ぶ数字, つまりレプユニット数に関する問題である. (素数であるレプユニット数は, 現在まで 10 個以下しか見つかっていないにもかかわらず, 無限にあると予想されており, これは未解決問題である.) もっとも前回の問の本質は, レプユニット数というよりは, 連続する素数の積でもあるシエラザード数 1001 = 7 \times 11 \times 13 *1がもつ性質 ( 123\times 1001 = 123123) の発展形という趣きがある. 「シエラザード数」の命名はもちろん, 「千夜一夜物語」からきている. 10001 を対比させた文学の他の例として, 「伊勢物語」の次の歌がある.

秋の夜の千夜を一夜になせりとも
ことば残りてとりや鳴きなむ

【問】
自然数 n に対し,

 \displaystyle{\frac{10^n - 1}{9} = \overbrace{111\cdots111}^{n\text{個}}}

\displaystyle{ \boxed{n}}で表す. たとえば \displaystyle{ \boxed{1} = 1}, \displaystyle{ \boxed{2} = 11}, \displaystyle{ \boxed{3} = 111}である.

(1)  m0 以上の整数とする.  \boxed{3^m} 3^m で割り切れるが,  3^{m+1} では割り切れないことを示せ.

(2) n27 で割り切れることが,  \boxed{n}27 で割り切れるための必要十分条件であることを示せ.

【解】
(1)
問題の主張を数学的帰納法で証明すればよい.

m = 0とき,  \boxed{3^0} =1 = 1\times 3^0 だが,  1 3^1 =3 では割り切れないので成立する.

 \displaystyle{ 
\boxed{3^{m+1}}
\\= \frac{10^{3^{m+1}} -1}{9}
\\= \frac{(10^{3^{m}})^3-1}{9}
\\= \frac{10^{3^{m}}-1}{9}
\{(10^{3^{m}})^2 + 10^{3^{m}}+1\}
}

したがって,

 \displaystyle{ 
\boxed{3^{m+1}} = \boxed{3^m}
\{(10^{3^{m}})^2 + 10^{3^{m}}+1\}
}

だが,  (10^{3^{m}})^2 + 10^{3^{m}}+1 は, 3 で割り切れ, 9=3^2 では割り切れないので,  \boxed{3^m} に帰納法の仮定を使うと  \boxed{3^{m+1}} は,  3^{m+1} で割り切れ,  3^{m+2} では割り切れない.

(2)
必要条件であること:

 \boxed{n}27 で割り切れるので,  3 でも割り切れるから,  \boxed{n}1 の個数 n3 で割り切れる. したがって,

\displaystyle{ k = \frac{n}{3}}

とおくと,

 \boxed{n} 
\\= 111 \times 1000^ {k-1}+ \cdots + 111 \times 1000 + 111

のように書ける.

 1000=999+1 \equiv 1 ( \mathrm{mod}\ 27)

から,

 \boxed{n} \equiv 111k = 37n (\mathrm{mod}\  27)

つまり,

 37n \equiv 0 (\mathrm{mod}\  27)

であるが, 2737 は互いに素であるので,

 n \equiv 0 (\mathrm{mod}\  27)

であり, n27 で割り切れる.


十分条件であること:

n3 でも割り切れるので, 先程とまったく同じ議論をすれば,

 \boxed{n} \equiv 37n (\mathrm{mod}\  27)

となるが, n27 で割り切れるのだから,

 \boxed{n} \equiv 0 (\mathrm{mod}\  27)

である.
//

*1: 10^3 = 1001-1 だから  7,  11, 13 の倍数判定法は同じ方法が使えることがわかる. つまり, 調べたい数字を下から 3 桁ずつ区切り, 下から奇数番目のグループと偶数番目のグループの和をそれぞれ計算し, 両者の差が 7, 11, 13 の倍数であるかどうかをそれぞれ調べればよい. 例: 123450789 の場合, 奇数番目の和は  123+789=912, 偶数番目は 450 で差は, 462.  2\times 4 + 62 = 70 なので  7 の倍数,  4-6+2 =0 なので 11 の倍数,  462 / 77 < 10 なので 13 の倍数ではない. 13 の倍数は,  4\times(-3)^2 +6\times (-3)  +2 を計算してもよい.