年東大理科. 容易に設問の意図がつかめず, 誘導であるはずの の不等式をどう使うのか, あれこれ悩まされる問題となっている. まず, この問題をやる前に, 次のことを理解するとよいかもしれない (余計わからなくなるかもしれないが……).
たとえば, , の計算を同時にやるには次のようにやればよい.
中間に和の が末尾に積の が出ているのが確認できると思う. これが,
だとぎりぎり大丈夫である.
こうなると全然駄目である. 次に を考えると, は の倍数で,
という素数になり, もちろん,
となる. また,
であるが, 先程と同じようにこの つの数字をかけて, その答えの中に和である が現れるようにするには, (大きい数字は嫌なので, 小数を使うことにすると) たとえば,
とすれば良いことがわかる. このとき,
である.
【問】
次の命題を証明したい.
命題 次の条件 , をともに満たす自然数 ( 以上の整数) が存在する.
は連続する つの自然数の積である.
を 進法で表したとき, が連続して 回以上現れるところがある.
以下の問いに答えよ.
を自然数とする. このとき不等式
が成り立つような正の実数 の範囲を求めよ.
命題 を証明せよ.
【解】
から,
となるが, は自然数なので, この不等式は, に対して常に成立する.
次に,
から,
となるが,
とおくと, は自然数なので, となり, は 異なる実解をもつ. また 次関数の軸は, にあるので, で となるのは,
のときである.
とする. ここで右辺は, で割り切れるので, は自然数である. また,
と表わすことができる. *1
ここで, 問 で求めた の範囲を満たすように, 自然数 をとって とすると,
をみたす.
だから, さらに
つまり,
も条件に加えて を充分大きくとることとすれば, つの不等式にはさまれた自然数は, を連続して 個含んでいることになるから, 命題 は証明された. //
*1: に等比数列の和の公式を当てはめればよい. なお は単位 () が繰り返されるという意味で, レプユニット数と呼ばれることがある.