60 年代後半の西海岸の音楽シーンの一つの側面をごく浅く紹介。60 年代後半と限定したのは、もちろん、合衆国独立宣言から 200 年たった1976 年の「ホテル・カリフォルニア」でイーグルス (1971 年結成) が、
We haven't had that spirit here since 1969.
と、“spirit” という単語に含意を持たせて、若者対抗文化 (カウンター・カルチュア) が変質したことを歌ったのと同じ感覚であり、たんにビートルズの解散が 1970 年ということだけで区切っている訳ではない。 「ホテル・カリフォルニア」が名曲だとするならば、それは失われた 60 年代という歴史に対する、しかるべき「供養」のようなものが明確に伝わってくるからである。ここでいっている「供養」とは、破壊することも創造することも禁じられた新しい世代が、古い世代の、すでに擁護することも許されない犠牲者たちの無念さに対して、どうしようもなく感じてしまう情念に憑かれつつ、なにかを始めようとすることに他ならない。
※ 区別する必要を感じない「平成」「令和」などとは違い、ほとんど和製英語である「ウェストコースト・ロック」などと呼んで「1960 年代後半から 1970 年代」 を一括りに扱うこと自体、歴史意識が欠如しているとしか思えない。たとえば、70 年代の合衆国西海岸で「ハッカー」が生まれパーソナル・コンピュータが誕生したことを理解するにしても、そういった歴史意識は必要である。//
1967:
ワズント・ボーン・トゥ・フォロー (ザ・バーズ):
イージー・ライダーのバラード (ザ・バーズ):
ザ・ビート・ゴーズ・オン (ソニー・ボノ & シェール):
フォー・ホワット・イッツ・ワース (バッファロー・スプリングフィールド):
1968:
ヒッコリー・ウィンド (ザ・バーズ):
※ ロデオの恋人
1969:
ワイルドで行こう (ステッペンウルフ):
シェイディ・グローブ (クイック・シルヴァー・メッセンジャー・サービス):
アイ・ウォーク・オン・ギルデッド・スプリンターズ (シェール):
※ 3614 Jackson Highway
ダーク・スター (グレイトフル・デッド):
ライヴァー・ザン・ユール・エヴァー・ビー (ローリング・ストーンズ) から:
Love in Vain
※ カリフォルニアでのライヴ