ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

ペグ・ラセントラ

ポール・スチュワートというと、ジョン・ハウズマンとオーソン・ウェルズが設立した「マーキュリー劇団」に初期から関与していた人物で、『市民ケーン』(1941) やロバート・オルドリッチ監督の『キッスで殺せ!』(1955) などに出演している。

そのポール・スチュワートと結婚していたのが、ペグ・ラセントラ (Peg LaCentra, 1910-1996) である。彼女は 1930 年代後半には、アーティ・ショウ楽団の歌手だったことがある。最初のアーティ・ショウ楽団は 1936 年に結成され、1937 年には解散している。彼女とアーティ・ショウのレコーディングはこの時期に限られている。

1936:
There's Something in the Air:

There's Frost on the Moon:

Darling, Not Without You:

ガーシュウイン兄弟のスタンダード曲を題名に持っているラオール・ウォルシュ監督の “The Man I Love” (1947) には、アイダ・ルピノと『アメリカ交響楽』(Rhapsody in Blue, 1945) でガーシュウィンを演じたロバート・アルダが主演しているが、下のクリップでアイダ・ルピノの声を吹き替えているのが、ペグ・ラセントラである。室内のシーンであるが、このクリップを見ていると、男性の顔は硬調に、女性の顔は軟調に撮影するということが当時のハリウッドでいかに忠実に守られているかということに改めて感動してしまう。

※ 他のアーティストが歌う “The Man I Love” は過去記事で纏めている。

ジーン・ネグレスコ監督の『ユーモレスク』(Humoresque, 1946) は ジョーン・クロフォードとジョン・ガーフィールド主演の映画だが、下のクリップでは彼女の姿がピアノのところに登場し、ガーシュウィンの “Embraceable You” をジョーン・クロフォードと掛け合いしている。

※ 他のアーティストが歌う “Embraceable You” はこちらから。


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