ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

飯沢匡

最近、飯沢(ただす)の文章を読んでいて、「ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ」の作詞 (作曲は服部正) と「ブー・フー・ウー」の作詞 (作曲は小森昭宏) はともに飯沢匡ということにいまさらながら気がついた (“Rule of Three” といってしまえばそれまでだけれど)。


※ 飯沢匡の『武器としての笑い』 (1977) によると、この頃は児童劇というものは児童がやるという考え方が圧倒的に強く、「ヤン坊」「ニン坊」「トン坊」 の声を担当した里見京子、横山道代、黒柳徹子の名前は一年間公表されなかったとある。また同書には不良少女的カラスの「トマトさん」——赤い色が好きなので——を登場させたことがこの作品の成功の大きな要因であったとあり、そのカラスを新村礼子が熱演したとある。なお、飯沢匡にはウォルター・デ・ラ・メアの “The Three Royal Monkeys” を訳した 『サル王子の冒険』があり、『ヤン坊・ニン坊・トン坊』 (NHK ラジオ第一放送; 1954 〜1957) はそれを換骨奪胎した翻案である。//

※ 前掲の『武器としての笑い』によると、「ブー」「フー」「ウー」それぞれに三種類の人形を用意して撮影され、その内の一種類は着ぐるみで人間が入っていて、これらをスイッチで切り替えて場面を連続させたとある (後の 2 種類は普通の人形と手袋人形)。人間が着ぐるみに入って演じているときには背景もそのサイズに併せて巨大なものを用意したそうである。なお、飯沢が設立した「人形芸術プロダクション」による初期テレビ CM 作品や、海外向けも 2,000 万部ほど発売されたとされる飯沢と土方重巳によるパペット絵本なども資料はそう多くないが確認することができる。『ぶーふーうーのびすけっと』 という絵本は自分も持っていたような記憶があるが定かではない。//