音楽
斎藤寅次郎監督の『憧れのハワイ航路』(1950) を見る。岡晴夫と美空ひばりの歌が満喫できるなあ、この映画。それと、戦前の小津映画でおなじみの (たとえば、1932 年の『大人の見る繪本 生まれては見たけれど』) 吉川満子が出演しているのを見たときには嬉し…
今年は美空ひばりの没後 30 年だったなあ。1937 年生まれの美空ひばりの舞台デビューは 、9 歳になった 1946 年 9 月、横浜市磯子の映画館「アテネ劇場」においてとされており、そのころの芸名は「美空和枝」であった 。彼女はそこでディック・ミネの「旅姿…
海水魚って、どうやって水分補給するんだろうと不図、疑問に思ったが、やっぱり海水をゴクゴク飲んで塩分を体外に排出しているんだ。淡水魚は浸透圧の関係で、逆にエラなどから水が体内に吸収されていくので、積極的に水を飲まない。逆に体内の余分な水を外…
本当にとりとめなく聞く。日本特派員だったバートン・クレーンの歌を二曲。1931: (バートン・クレーン) 酒が飲みたい: ニッポン娘さん: ※ 東京の娘さんのところは「東京の娘さん、いかがです、銀座ガールつれない、いつでも冷淡」と言っている。名古屋の娘さ…
これは小国英雄が脚本だけではなく、日活から東宝へ移籍し監督もした、『ロッパ歌の都へ行く』(1939) の断片だと思う。場所は日劇で、司会しているのが「悦ちゃん」なのかなあ (自信なし)。淡谷のり子が『雨のブルース』、上原敏が『親戀道中』、松島詩子が…
憲法の意義を完全に無効にする全権委任法の成立によって独裁体制が合法化され、ヴァイマル共和国が無残にも崩壊し、20 世紀の悪夢となった第三帝国が生まれる三年ばかり前のドイツで、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグと新人女優マレーネ・デートリッヒが…
やがて敗戦という結果に至る時局により、実際に開催されることはなかったが、「大きなプロパガンダ効果が期待できる」としてアドルフ・ヒトラーが開催した 1936 年のベルリン・オリンピックに続く 1940 年の開催地は、二・二六と阿部定事件が起きた 1936 年…
ドリス・デイ追悼で『情欲の悪魔』(1955) を見る。正直、ルース・エティングはそれほど好きな歌手ではないけれど Rodgers & Hart が作った、10 セントのチケットで男性客のダンスの相手を一晩中する踊り子を描いた切ない “Ten Cents a Dance” は好きで、この…
アルフレッド・ヒッチコック監督の英国時代の作品 『暗殺者の家』(The Man Who Knew Too Much, 1934) の自身のリメイクである『知りすぎていた男』(The Man Who Knew Too Much, 1956) の前年に作られた、チャールズ・ヴィダー 監督で、ジェームズ・キャグニ…
大阪と伏見を淀川で結んだ「三十石船」は、広沢虎造の『石松三十石船道中』であまりにも有名であるが、マキノ正博監督の傑作 『續清水港』(1940) のクリップがある。DVD は残念ながら販売されていないがフィルム・センター他では上映される機会がある。広沢…
ゴダールの映画 『イメージの本』(2018) には海辺が出てくる。ゴダールの言うアーカイブとは、データベースのことではないと思う。それは海辺に打ち上げられた漂流物のようなものである。それはまず人によって発見されねばならないが、それだけではなく、そ…
カンボジアの国民的歌手 シン・シーサモットが録音した『潮来笠』があった。 ※ この曲 、「バタンバンの花」は初めて聴く気がまったくしないけれど、どうしても思い出せない。
上原敏の股旅物を一部だが聴く。『鴛鴦道中』なんて、マキノ雅弘の映画の主題歌じゃないか。あまりにも歌が上手いので、突然、マキノの『弥太郎笠』が見たくなって、萬屋錦之助の方 (1960) にするか、鶴田浩二 (相手役の二十歳ぐらいの岸惠子が可愛い) の方 …
前回の記事の美空ひばりの歌の中に、『娘船頭さん』があって、それは正確には「潮来もの」であるが「マドロスもの」源流であると思って一緒にあげておいた。1955: 娘船頭さん (美空ひばり): 歌もよいが、このクリップの映像は非常に素晴らしいモノクロ画面だ…
淡谷のり子の『別れのブルース』(1937) を思い出すまでもなく、昭和の唄を港町の存在抜きで語ることは、平成を原発事故抜きで語ることと同じように単なる抽象に過ぎないような気がする。※ なお戦前のマドロス歌謡を代表するのは次の三曲といわれることがある…
山中貞雄監督が日活京都撮影所で撮った大傑作『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(1935) で櫛巻お藤を演じた新橋喜代三が、1934〜5 年に録音した音源が傑作集として下にある。喜代三が劇中で唄っている、山中貞雄作詞の『櫛巻お藤の唄』も部分的だが収録されている…
周璇は、李香蘭、原節子と同じ 1920 年生まれの同い年である。以前の英語と日本語の Wikipedia には、周センは 1918 年生まれとあったが、わからないながらも中国語のサイトを複数確認したら 1920 年生まれとあるし、初期の幼さの残る歌声を聞いて 1920 年の…
もう一セット作ってみた。 ザ・ダーツThe Darts/ケメ子の歌Kemeko No Uta (1968年) - YouTube
ゴダールの映画を見ると、どうしてもゴダールの映画を一番見ていた八十年代の記憶が蘇えってこようとする。しばらく経ってから、神代辰巳監督の『少女娼婦 けものみち』 (1980) で何度も歌われていた新井英一の「カラス」を波が圧倒的な力で迫ってくる海辺の…
いままでブログで紹介した中から、記憶に残る名曲中の名曲を紹介してみる。別に何の衒いなくしみじみ良いなあと素直に思う曲ばかりである。
昨日見たジャン=リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』(2018) は 5つのパートで構成されているが、その内の列車の主題から構成された部分と作品の最後の部分の末尾には、マックス・オフュルス監督の『快楽』(Le Plaisir, 1952) が引用されている。見…
残念ながらリアルタイムで見た訳ではないけど、東映が他社を圧倒していた 60 年代のやくざ映画全盛の頃って本当に面白いなあと回顧しつつ、全編無許可で京都をロケーションしたという、まるでヌーヴェルヴァーグのような味わいのある、たまらなく愛おしい中…
ベンガル地域には、雨季になっても雨が降らないと、雨乞いをするのにカエルにお化粧をしてドレスを着せて結婚式を挙げさせ、それを村人皆んなで祝福するという古くからの伝統がある。オスのカエルにケロケロと求愛鳴きさせて雨を呼んでもらうというところか…
OSK から SGD に移籍した笠置シヅ子が、この歌をステージで唄ったとある。とても良い歌だと思うんだが、1938 年の録音しか見つからない。歌っている歌手は、マキシン・サリヴァン、ヘレン・フォレスト、ビリー・ホリデイの三人だが、マキシン・サリヴァンと…
Lil Hardin Armstrong はもちろん、ルイ・アームストロングと一時期結婚し、彼に音楽のリテラシーからファッションまでを教えたジャズの歴史では欠かすことのできない女性であるが、エラ・フィッツジェラルド、ミルドレッド・ベイリー、マキシン・サリバンと…
1939 年に服部良一が作詞、作曲、アレンジし笠置シヅ子が歌う『ラッパと娘』を久しぶりに聞く。トランペットは森山久だろう。服部と笠置のコンビの始めての録音である。レコードの発売は 1939 年 12 月であり、もちろん戦前の録音である。今聞いたって驚くの…
これは、2007 年のクリップ。アルバム “Discover America” にある “The Four Mills Brothers” を歌っている。もちろん、“I Ain't Got Nobody, Nobody Cares for Me” は、The Mills Brothers も歌っている。Morton Downey, Cab Calloway, Bela Lugosi, Bing C…
まったく気がつかなかったんだけれど、二年以上前に東中野で二回見た小森はるか監督の『息の跡』(2015) が DVD で発売されていた。映画の中で『夜来香』を歌っていた佐藤さんがギター演奏をする特典映像が付いているらしい。早速、購入する。それで、小森さ…
70 年代のプレスリーのモミアゲとパンタロンとスカーフとビラビラ両腕に羽根をつけたイメージが、やっぱり50 年代のプレスリーの素晴らしさを素直に受け止めることを邪魔しているのかもしれない。サン・スタジオの時代の何という素晴らしさ!ザッツ・オール…
マリリン ・モンローの写真で有名な写真家バート・スターンがみずから撮影・監督・制作した第四回ニューポート・ジャズ祭 (1958 年、当時は、7 月 4 日、合衆国独立記念日にまたがって開催された) のドキュメンタリー・フィルムがある。オープニングは、ニュ…