ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

英語

英語の勘所 (13)

最近はようやく「連結動詞」みたいなことが説明されてきているので、たとえば equal が「他動詞」だなんて、未だに信じている人もまさかいないと思うけれども、関連する話題として動詞 make について書いておく。 動詞 make には、下のように TYPE 1 のよう…

英語の勘所 (12)

このシリーズの一番最初に書いたことの補足にあたる記事である。 あまりにも初歩的な話で申し訳ないが、動詞の enter が「部屋に入る」みたいな場合 誤:I entered to the room.正:I entered the room. で、「それは enter が他動詞だからで、そういうもの…

It’s your nickel. → It’s your dime.

前の記事で ローズ・マーフィ(Rose Murphy) の 40 年代の終わり頃の曲、“Busy Line” (話し中) の歌詞の出だしは、聞いてもらえばわかることだが、 I put a nickel in the telephone. となっている。つまり、この頃の pay phone の local call の値段は、5 セ…

Rosetta (それと “Busy Line”)

これも Legrand Jazz から。Earl Hines が 1933 年に作った曲だが、当時の録音は YouTube では見つけられなかった。Hines による 1934 年の演奏はあるが Teddy Wilson の同年の録音の方が、数カ月ではあるもののより古い。 Count Basie 楽団や The Nat King …

実際の文章表現

「同格」の例文に “The Great Gatsby” の中の文章を使ったんだけれど、そう言えばこの作品ってやたらと同格が使われているなと今さらながらに思いついた。第一章だけでも確認してみようとゆっくりと読み直してみて、それは間違いではなかったのだが、ゆっく…

英語の勘所 (11)

分詞構文について、ごく基本的なことを確認しておく。まず、受験英語的でとても厭なんだが、接続詞や関係詞をあくまで「機械的に」分詞構文に書き換えてみる。なお、例文の中で助動詞がある場合には分詞構文ではなく to 不定詞で書き換える必要がある i) Wh…

英語の勘所 (10)

英語の文章を読むには、並列構造の把握が重要ってことを前回書いたつもりだが、同格構造の把握っていうこともあるだろう。たとえば、前に取り上げた “The Great Gatsby” から例を取ってみる。 In consequence, I’m inclined to reserve all judgments, a hab…

Sunny Skies

蓮實重彥の『監督 小津安二郎』の「晴れること」の中間部分を省略して “Sunny Skies” として英訳されたものが、Cambridge University Press の “Ozu’s Tokyo Story” に収められているので読んでみた。よく訳されているとは思うものの、次の 3 点はさすがに気…

英語の勘所 (9)

以下は、民法からの引用であるが、法律の文章は、「および」「並びに」「かつ」という接続詞はその使用が厳密に区別されているし、「又は」「若しくは」といった接続詞も等位の階層が違う。そのことは、法律を普段読んでいる人には常識だろうが、普通の日本…

英語の勘所 (8)

前の記事の補足である。 英語動詞の「現在形」はもちろん、現在のことを示すものではない。 There times three equals nine. (動詞はequal) は別に今だから正しいことでなく『茶目子の一日』が歌われた時代だってそうだったろう。 The train leaves at seven…

英語の勘所 (7)

少しでもやる気のあるうちになるべく書くことにする。 20 世紀前半の音楽を聞いたり、映画を見たりすることにたいして、「好きだから」以外の回答として、その時代の作品を「過去形」として捉えてはならず「現在完了形」として捉えねばならないからだという…

英語の勘所 (6)

ここでは、動詞 (主要動詞) の後の目的語として ing-動名詞、 to-不定詞 (まとめて「補語」と呼ぶ) のどちらをとるかという、高校受験勉強 (megafeps!) 以来の古い問題をごく簡潔に考察してみることにする。もちろん、この考察は個人的な仮説でありいつでも…

英語の勘所 (5)

ほぼ半年ぶりにこのシリーズに関する記事が更新されるという事実は、今後もこの領域での記事が作成されることを支持するものでは些かもなく、それどころか作成者の「英語の原理主義」に対する嫌悪感は日毎単調に募るばかりであり、それでも書くことをなんと…

綴り

Arkansas とか Sioux Falls の綴りと発音の関係は絶対に反則だと思うが、そこまでいかずとも Massachusetts なんかは綴りを見るだけで腹が立ってくるので現地の人ですら MA とか Mass.で済ませているのだろう。Mississippi なんかはいつも二回なのでわかりや…

英語の勘所 (4)

英語について書こうという気がまったく失せてしまっているので、このシリーズは遅々として進まない。 日本語と英語の間では語を「参照」するやり方が違う。たとえば、日本語では トム、ここにいるよ。トムはあなたにプレゼントをもってきたんだ。 と言えば、…

Change Partners

マーク・サンドリッチのアステア=ロジャース映画の五本全部を久しぶりに見直した。 『気儘時代』(Carefree, 1938) は当時全盛を誇っていたスクリューボール・コメディの影響が強い作品で、アステアとロジャーズのダンス・シーンは少ない(4 回)。ジンジャー…

英語の勘所 (3)

定冠詞について。まず大事なことは、不定冠詞は初出の場合しかつけられないが、定冠詞は初出でも、既出でもつけられるということ。 既出の名詞に定冠詞 the をつけるのは絶対である。これは不注意でさえなければ、それほど難しいことではない。 A man was we…

L の聴き取り

ジョージ・キューカー監督の『恋をしましょう』(Let's Make Love, 1960) は、とにかくイヴ・モンタンがおかしいし、コール・ポーターの “My Heart Belongs to Daddy” のシーンは、マリリン・モンローが素晴らしく大好きな映画である。ミルトン・バール、ビン…

英語の勘所 (2)

英語の文章を読むときに頭から読む訓練をしなさいということが言われるが、具体的には英語の複文を動詞が出現する順序をなるべく崩さずに読むことかなあ。 日本語だと、動詞の連体形 (名詞にかかるときの動詞の活用)でほとんどどんな名詞でも修飾できてして…

英語の勘所 (1)

日本語で「太郎は髪を切った」と言うとき、実際に太郎の髪を切ったのが散髪屋さんであったなら、英語では × Taro cut his hair. とは言いにくい。これだと「太郎自身が自分の髪を切った」ということになる。実際に髪を切った散髪屋のことは触れないで「髪を…

ボインが好きな「ベッド」と残念な「ベット」

西洋から輸入され、睡眠やその他の目的にも供される「台」のことを英語では “bed” という。 この語の発音が日本語の体系に移行するとき、「モーラ」と呼ばれる「拍(はく)」を作る必要から「ベ」と「ド」の音が生じる。 なんとも不可思議な「原音主義」が、…