マーク・サンドリッチのアステア=ロジャース映画の五本全部を久しぶりに見直した。
『気儘時代』(Carefree, 1938) は当時全盛を誇っていたスクリューボール・コメディの影響が強い作品で、アステアとロジャーズのダンス・シーンは少ない(4 回)。ジンジャー・ロジャースのコメディエンヌぶりを見ていると彼女が後に出演したハワード・ホークスの『モンキー・ビジネス』(Monkey Business, 1952) を思い出してしまう。また、ラルフ・ベラミーはレオ・マッケリー監督の『新婚道中記』(The Awful Truth, 1936) やハワード・ホークス監督の『ヒズ・ガール・フライデー』(His Girl Friday, 1939) といったスクリューボール・コメディの傑作でも同じ役柄を演じている。彼は『プリティ・ウーマン』(Pretty Woman, 1990) にも出ていたのだから随分と長いそのキャリアに驚いてしまう。
アーヴィング・バーリンの “Change Partners” が歌われている。最初は映画のクリップで、次はアステア以外で聴いてみる。
Must you dance every dance with the same fortunate man?
You have danced with him since the music began.
Won't you change partners and dance with me?
Must you dance quite so close with your lips touching his face?
Can't you see I'm longing to be in his place?
Won't you change partners and dance with me?
Ask him to sit this one out and while you're alone, I'll tell the waiter to tell him he's wanted on the telephone.
You've been locked in his arms ever since heaven-knows-when.
Won't you change partners? And then you may never want to change partners again.
Won't you change partners? And then you may never want to change partners again.
英語を勉強している人は、アーヴィング・バーリンのこの曲なんか覚えるといいと思うんだけどなあ。難しい単語なんか一切ないし、“sit this one out” なんて洒落た表現も覚えられる。ガラパゴス市場の典型と思われ、書店にいくと場所をとって並べられているあの資源ゴミのような英語学習の本とか雑誌とかを買って、敢えて不愉快で退屈な時間として英語の勉強をすることはなかろう。例示能力が低く(= どこまでの時間や空間の範囲で異文化にどれだけ具体的に触れているのだろうかと疑問に思わせ)、発想が画一的で、妙なことにだけはこだわる商品作りはいかにもガラパゴス市場のものである。
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