1937 年、ロイ・デル・ルース監督の映画 “On the Avenue” の中の曲として、Irving Berlin が作った曲。日本では1937年12月に『抓って頂戴』という素晴らしい題名で封切られたものの、当局の注意を受けて『陽気な街』という残念な名称に改題されている。こんなくだらない注意をするのは、当時のファシズム体制しかないと思っていたが、最近の日本はだんだん当時を馬鹿にできなくなっているのだから怖い。
この映画見たことがないので、是非見てみたい。幸い DVD が出ている。振付はシーモア・フェリクスだし、出演は、ディック・パウエル、マデリーン・キャロル、アリス・フェイ、リッツ・ブラザーズなど豪華である。マデリーン・キャロルはアルフレッド・ヒッチコックの英国時代の『三十九夜』に出演していたあの女優である。ディック・パウエルはもともとクルーナーとして有名だった。
ここであげている、ビリー・ホリデイの演奏にはレスター・ヤングがテナーで参加しているが、この曲こそがこのコンビによる最初のレコーディングなのである。おまけに、ベニー・グッドマンやベイシー楽団の錚々たる顔ぶれがセッションに参加している。
最後に、歌詞の “This year's crop of kisses don't seem as sweet to me” で “don’t” なのはポピュラー音楽ではよくあること。曲のリズムにのせるためであると思っている。
1936:
Shep Fields:
Benny Goodman:
1937:
Hal Kemp:
Alice Faye:
Billie Holiday:
※ Buck Clayton (tp), Benny Goodman (cl), Lester Young (ts), Teddy Wilson(p), Freddie Green (g), Walter Page (b), Jo Jones (d), Billie Holiday (v)//
Hildegrade:
Dick Powell:
1956:
The Jazz Giants ‘56:
※ Roy Eldridge (tp), Lester Young (ts), Vic Dickenson (tb), Teddy Wilson (p), Freddie Green (g), Gene Ramey (b), Jo Jones (d)//
June Christy:
1957:
June Christy:
1958:
Lorez Alexandria:
1961:
Ella Fitzgerald:
1966:
Nina Simone:
This year's crop of kisses
Don't seem as sweet to meThis year's crop just misses
What kisses used to beThis year's new romance
Doesn't seem to have a chance
Even helped by Mister Moon aboveThis year's crop of kisses
Is not for me
For I'm still wearing last year's love