ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

歩数データ

在宅勤務の影響が歩行数にどう現れているか、自分のスマートフォンに記録されている 2 月と 3 月の毎日の歩数データを比較してみたりした。5 % の有意水準で F 検定すると、等分散であるという仮説は棄却された (なお、それぞれのデータは、シャピロ・ウィル…

春雪

昨日は近くの芹沢公園とその周辺を散歩した。養蜂場があるのを見つけた。家で仕事をするとどうしても歩く機会が少なくなってしまうし、もともと人だかりのするところなどわざわざ歩きたいと思わない。いまの季節だったら土手の菫とか土筆とかを見たり、鶯が…

すみれの花咲く頃

小田急線の玉川学園前駅から歩いて町田市の薬師池公園へ行った。そうしたら、またカタクリ (学名: Erythronium japonicum ) を見つけて嬉しくなった。神奈川県では絶滅危惧 1B、東京都は西多摩では準絶滅危惧だがその他の地域では絶滅危惧 ll 類である。本来…

堅香子

この間、近所にある「泉の森」で蕾が出ていたのを見かけたカタクリが、春分の日の今日、ふたたび行くと開花していた。大伴家持が井戸で水を汲む乙女たちに託して詠んだ気持ちもよくわかる可憐な春の妖精の姿であった。というわけで、ザ・ピーナッツの『乙女…

潜在的なものが目覚めるとき

前にもどこかで書いた気がするが、アブダクションとは C. S. パースが「演繹」「帰納」とは異なる次のような推論として導入したものである。:出来事 q がある:仮説 p だったら q を矛盾なく説明できる:だったら仮説 p はいくつも存在しえる解釈のひとつに…

補足

いままでの記事で「等確率バイアス」とか「対称バイアス」といっていたものを補足しておくだけの記事である。知っている人にはきわめて初歩的なものでつまらないと思う。 【問】乳がん検査に参加した 40 代の女性に乳がんがある確率は 1% です。女性がもし乳…

正常化の偏見

退潮期のハリウッド映画では、大作化、ビジュアル化が進み、一時期「パニック・ムービー」と呼ばれるジャンルが盛んに製作されたのは映画史の退屈な復習に過ぎない。あるいは日本の『ゴジラ』(1954) をはじめとする怪獣映画などももしかして関係しているのか…

悦ばしき変化(2)

春の陽気である。今年は静かに花見はできるし、交通機関はすいているし最高だなあ。パンデミックの初期段階で、疾病の治療/予防方法(たとえば、ワクチン)が確立されるまでの間、実行可能な政策的な選択肢というのは誰が考えたところで、感染拡大を抑制、遅…

消毒薬

トイレットペーパーやティッシュとかは論外にしても、消毒薬でも今回のウィルスに対して有効かどうかのエビデンスがなかったり、塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジンのようなノンアルコール系の消毒薬(ノンアルコール系のウェットティッシュ、…

悦ばしき変化

自宅から一番近くにある湧水地——鵠沼海岸で相模湾に注ぐ引地川の源流にあたる——がある泉の森公園を散歩していると、スプリング・エフェメラル (Spring Ephemeral) 、カタクリの蕾が出ていた。以前の記事にも書いたことがあるが、自分は東京オリンピックが終…

マスク

通勤電車の混雑した車内でマスクをしている人がさすがに増えた。マスクの効果については、昔からいろいろと議論があり、手洗いの場合に匹敵するような高度なエビデンスも(自分が知るかぎり)存在していない。そのような予防法をどう見るかは色々な考え方が…

見てられない

今週の休日も座間に行って湧水巡りしながら散歩した。上の写真は龍源院の崖下から湧き出ている水の流れの中にある小さな不動明王像。人はほとんどいないし、水の流れは清らかだし、樹がたくさんあるし、本当にのんびりできるなあ。駅からそれほど遠くないと…

久松留守

いつものことといえばいつものことなので、別に驚くべきことでもなんでもないが、「コロナ」というときならぬ流行を示している単語に感染した記事は、当然ながら面白いものが非常に少ない。しかし、「久松留守」に触れてくれたものが二つほどあった。ただ、…

自分が住んでいる町内には、1940 年から 1980 年ぐらいまで唐木順三が住んでいたらしい。なぜか急行が停まる最寄りの小田急線駅の、東口前にある案内看板にはそう記載されている—— 1940 年に古田晃によって創業された筑摩書房に唐木は臼井吉見、中村光夫とと…

I Ain’t Got Nothing But the Blues

“I Ain’t Got Nothing But the Blues” の作曲はデューク・エリントンで下の演奏は1944年の録音だと思う。Duke Ellington - I Ain't Got Nothing But The Blues歌っている男性歌手は盲目のアル・ヒブラー。もちろん、20 世紀を代表するといってよいポピュラー…