ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

音楽

Something Stupid

日本でも、竹内まりやと大瀧詠一が歌っていた。1966 年に C. Carson Parks が作った曲だが、彼が奥さんの Gaile と歌ったものは今回初めて聞いた。やっぱり 67 年の Frank Sinatra と Nancy Sinatra のものが良い。歌詞付きのクリップがあって問題なさそうな…

You Were Meant for Me

昨日は時間がなかったので、シンプルな曲だから、よもや歌詞に間違いはないだろうとよく確認しないで、その辺にあるものを適当に貼り付けたら、これがおかしくて修正するのに却って手間取ってしまった。間違っていた部分に、 I love you and you alone were …

I Love You for Sentimental Reasons

いろいろな演奏があるんだけれど 、Patti Page のものと、Nat King Cole のものだけを紹介する。 1946:Nat King Cole: 1959:Patti Page: I love you for sentimental reasonsI hope you do believe meI’ll give you my heart I love you and you alone were …

Save the Last Dance for Me

直前の記事で、“Save the Last Dance for Me” のDoc Pomus の歌詞を掲載しなかったので。“and in whose arms you're gonna be” の whose は僕には /uːz/ と発音され前後の n と a にリエゾン気味になって聞こえる。 1960:The Drifters: Towa Carson: Dion: 1…

返歌

ヒット曲が出るとそれに対する「返歌 (Answer Song)」が出ることがあって、すでに紹介した Neil Sedaka による “Oh, Carol” のモデルというか Sedaka のガール・フレンドであった Carole King の “Oh, Neil” がその例である。日本の例もあって、このブログの…

Stay

1964 年 2 月 1 日にビートルズの “I Want to Hold Your Hand” が全米ビルボードで一位になった後の一時期をいわゆる “British Invasion” と言うわけだが、もちろん、ビートルズの音楽はアメリカのポピュラー音楽の変化を加速させはしたものの、アメリカのポ…

Rhythm of the Rain

よく知られている1962 年の The Cascades のヒット曲。 英語のオノマトペには、yum-yum のように、まったく同じ音が繰り返される場合も多いが、この歌詞にある pitter-patter のように最初が i (/ɪ/)で、次が a (/æ/) になるようなパターンがあるなあ。たと…

When You Wish Upon a Star

ディズニー映画『ピノキオ』(1940) で Ukulele Ike こと、Cliff Edwards が歌った。よく使われる “out of the blue” という表現は歌詞にある “like a bolt out of the blue” が約まったもの。「青天の霹靂」の「霹靂」は落雷のことだから洋の東西で発想がま…

Where or When

1937 年に作られた Rodgers & Hart の名曲。歌詞に、 Some things that happen for the first time seem to be happening again. とあるように、初めてのはずなのに初めてとは思えない、いつかどこかで同じような経験をした気がするという内容になっている。…

Little Darlin’

1957 年の曲。The Diamonds のものが有名だけど、レコーディングは The Gladiolas の方が少し早かった。1965 年の The Four Seasons のものも挙げておく。 1957:The Gladiolas: The Diamonds: 1965:The Four Seasons:

Stardust

今さらながら Nat King Cole の素晴らしい “Stardust” 。ステレオ録音である。 1957:Nat King Cole And now the purple dusk of twilight timeSteals across the meadows of my heartHigh up in the sky the little stars climbAlways reminding me that we'…

Champagne Taste

Ertha Kitt らしいパフォーマンス。貴方に私は高嶺の花なのよと、男をおちょくっている。“champagne taste on a beer budget” は、ビールしか買えないのにシャンぺンの趣味ということから、「身の丈に合わない趣味」という熟語にもなっている。 champagne の…

You know what time it is?

話題が戻って申し訳ないんだけど、“Do you know what time it is?” とか “You know what time it is!” は、やっぱりスラングとして使われることがあるんだなあ。インターネットに以下のような文章があった。これは、スタンダード曲の “I Didn’t Know What Ti…

Heart and Soul

Bea Wain が歌う “I Didn’t Know What Time It Was” が素敵だなあと思って後から記事に追加したんだけど、ニューヨークのブロンクス出身の彼女はほぼ一年前、ロスでお亡くなりになった。亡くなられたときは、100 歳であったというが、1930 年代の終わりには…

日常表現のずらし

前回の記事の “I Didn't Know What Time It Was” で、Lorenz Hart が誰もが知っている日常表現をたくみにずらすことで、 新しい意味を見いだしているその手腕に、 やっぱりこの当時の米国のポピュラー音楽は懐が深いなあと感心する一方で、 わけがわからない…

I Didn’t Know What Time It Was

Rodgers & Hart の愛の歓びが伝わってくる名曲だと思う。数多くのミュージシャンが演奏している。歌詞の最後に「いまや時がなんであるかを知っている (I know what time it is now)」といっているのに、邦題の『時さえ忘れて』にはガックリきてしまう。曲の…

The Siamese Cat Song

ディズニー映画 『わんわん物語』(Lady and the Tramp, 1955) の中の「シャム猫の歌」である。Peggy Lee が歌っている。Siamese の発音は、/sàiəmíːz/。 We are Siamese if you pleaseWe are Siamese if you don't pleaseNow we lookin' over our new domcil…

L-O-V-E

Bert Kaempfert のインスツルメントもよい。 1964:Nat King Cole: ※ 日本語バージョン (V のところは very good といっている) L is for the way you look at meO is for the only one I seeV is very, very extraordinaryE is even more than anyone that y…

Perfidia

一年ほど前に Dolores del Río の “Ramona” を紹介したが、この曲は正真正銘、1939 年にメキシコ出身の Alberto Domínguez Borrás によって作られた。ヴォーカルとしては、1945 年のDorothy Lamour のものが素晴らしいと思う。また、1967 年のジャマイカとい…

I Say a Little Prayer

「祈り」という意味で prayer を /pre̍ɚ/ と正しく発音できる人を調べると、結局、高い確率で 1967 年の Dionne Warwick か 1968 年の Aretha Franklin の “I Say a Little Prayer” を聴いたか、まれに南沙織の「潮風のメロディ」の LP の『小さな願い』をか…

Crazy He Calls Me

1949 年の Billie Holiday のバラード。 1949:Billie Holiday: 1954:Dinah Washington: 1955:Herb Geller Sextet: Ahmal Jamal Trio: 1956:Ted Brown Sextet: 1957:Lee Konitz: 1958:Chet Baker, Johnny Page: Jeri Southern: 1959:Sam Cooke: 1960:Sarah Va…

Kiss of Fire

タンゴ の El Choclo が Kiss of Fire として 1952 年に米国で録音され Georgia Gibbs のものがもっともヒットした。日本でもペギー葉山のレコード・デビューは「ドミノ」と「火の接吻」であった。雪村いづみが、映画『娘十六ジャズ祭』(1954) の中で歌って…

Fever

Madonna や Beyoncé もカバーしている 1956 年の曲で 1958 年の Peggy Lee のものがもっとも有名である。 1956:Little Willie John: 1958:Peggy Lee: 1960:Elvis Presley: 1964:Sarah Vaughn: Helen Shapiro: 1967:James Brown: 1968:La Lupe: 1969:Junior W…

Straighten Up and Fly Right

1943 年の Nat King Cole のヒット曲。タイトルは辞書にも「いい加減な気持ちを捨ててまっとうになる」という意味で出ている会話表現だが、もちろんこの曲からきている。この表現は “straighten up” だけでも使われる。 straighten の最後の子音の連続は “Bu…

The Man I Love

この George & Ira Gershwin の曲は男性と女性を交換して歌うのは難しそうである。なんか当時の粋な女性歌手はほとんどすべてこの曲を唄ったんではないかという気がする。YouTube にはみつからなかったけど、Mildred Bailey も Red Norvo のバンドをバックに…

Over the Rainbow

この曲 (Have You Met Miss Jones?) はすでに紹介済みだが、1937年の Rodgers & Hart が作ったものを 1961 年に Sarah Vaughn が歌ったものである。スタンダードでは男性・女性を入れ替えて歌うのはよくあることだが、 Miss Jones を Old Jones に変えて歌っ…

They Say

1938 年の曲で当時、Artie Shaw 楽団にいた Helen Forrest が歌ったものがヒットした。Billie Holiday と Helen Forrest って、Artie Shaw 楽団で一緒に働いていた時期があるんだなあ。 1938:Billie Holiday: Mildred Bailey: Swing and Sway with Sammy Kay…

A Lover’s Concerto

そういえば、Sarah Vaughn の S の後の a は /e/ で読む。augh は /ɑː/ でよい。 日本語の5つの母音と米語の母音を照らし合わせてみると「い」の附近にはより弛緩した /ɪ/ とより 緊張した /i/ がある。「う」の附近にはやはり、より弛緩した /ʊ/ とより 緊…

Stand by Me

YouTube で 2 億回近く再生されている1961 年のこの曲をここであえて挙げるのは別に人生観が変わったわけではなく、前の記事で挙げた “Oh, Carol” 以外にも /æ/ の発音の典型例をもう一つ挙げておきたかったからである。前の記事でもあったように darlin’ の…

Shoo Fly Pie and Apple Pan Dowdy

Shoo Fly Pie (写真上) と Apple Pan Dowdy (写真下) は Pennsylvania 州に移住してきたドイツ語圏の移民たちによる “Pennsylvania Dutch cuisine” のデザートである。この曲は、1945 年に出版された曲で Dinah Shore と Stan Kenton 楽団のものが有名である…