ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

港町について、つらつら考える

ジャズが生まれたのは港町ニューオリンズだし、エルビスを生んだメンフィスだってミシシッピ川沿いの中継港だし、ビートルズを生んだのも港町リバプールである、アルゼンチン・タンゴだってラ・プラタ川沿いのブエノスアイレスやモンテビデオ付近で生まれた…

カンボジアの潮来笠

カンボジアの国民的歌手 シン・シーサモットが録音した『潮来笠』があった。 ※ この曲 、「バタンバンの花」は初めて聴く気がまったくしないけれど、どうしても思い出せない。

彌太郞笠

萩原徳三監督の『娘船頭さん』(1955) とマキノ雅広監督の『彌太郞笠 前後編』(1952) という戦後の日本映画第二の黄金期の作品を続けて見た。初見だった『娘船頭さん』は、ワカサギを帆曳き網漁 (風力を利用して網を引っ張る漁、今では観光用に存在するのみ) …

上原敏の股旅物

上原敏の股旅物を一部だが聴く。『鴛鴦道中』なんて、マキノ雅弘の映画の主題歌じゃないか。あまりにも歌が上手いので、突然、マキノの『弥太郎笠』が見たくなって、萬屋錦之助の方 (1960) にするか、鶴田浩二 (相手役の二十歳ぐらいの岸惠子が可愛い) の方 …

娘船頭さん

前回の記事の美空ひばりの歌の中に、『娘船頭さん』があって、それは正確には「潮来もの」であるが「マドロスもの」源流であると思って一緒にあげておいた。1955: 娘船頭さん (美空ひばり): 歌もよいが、このクリップの映像は非常に素晴らしいモノクロ画面だ…

昭和の港町

淡谷のり子の『別れのブルース』(1937) を思い出すまでもなく、昭和の唄を港町の存在抜きで語ることは、平成を原発事故抜きで語ることと同じように単なる抽象に過ぎないような気がする。※ なお戦前のマドロス歌謡を代表するのは次の三曲といわれることがある…

中井正一の母

中井正一の母、千代 (広島出身) は正一を 1900 年 2 月 14 日に大阪の病院で帝王切開によって産んでいる。この当時、帝王切開による出産はまだ一般的ではなく、日本最初とまではいわずとも、施術例としてはほとんど前例がなく母子の安全は大きなリスクがある…

新橋喜代三

山中貞雄監督が日活京都撮影所で撮った大傑作『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(1935) で櫛巻お藤を演じた新橋喜代三が、1934〜5 年に録音した音源が傑作集として下にある。喜代三が劇中で唄っている、山中貞雄作詞の『櫛巻お藤の唄』も部分的だが収録されている…

天涯歌女

周璇は、李香蘭、原節子と同じ 1920 年生まれの同い年である。以前の英語と日本語の Wikipedia には、周センは 1918 年生まれとあったが、わからないながらも中国語のサイトを複数確認したら 1920 年生まれとあるし、初期の幼さの残る歌声を聞いて 1920 年の…

コンピレーション (2)

もう一セット作ってみた。 ザ・ダーツThe Darts/ケメ子の歌Kemeko No Uta (1968年) - YouTube

思い出したこと

ゴダールの映画を見ると、どうしてもゴダールの映画を一番見ていた八十年代の記憶が蘇えってこようとする。しばらく経ってから、神代辰巳監督の『少女娼婦 けものみち』 (1980) で何度も歌われていた新井英一の「カラス」を波が圧倒的な力で迫ってくる海辺の…

珠玉の名曲集

いままでブログで紹介した中から、記憶に残る名曲中の名曲を紹介してみる。別に何の衒いなくしみじみ良いなあと素直に思う曲ばかりである。

鉄砲玉の美学 / 五本の指

今日は、バングラデシュのラナプラザが 2013 年に崩壊して、千人以上の犠牲者を出した日であり、最近は「ファッション・レボリューション・デー 」と呼ばれている。クリント・イーストウッド、中島貞夫、ジャン・リュック・ゴダールの新作を一ヶ月ちょっとで…

イメージの本

昨日見たジャン=リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』(2018) は 5つのパートで構成されているが、その内の列車の主題から構成された部分と作品の最後の部分の末尾には、マックス・オフュルス監督の『快楽』(Le Plaisir, 1952) が引用されている。見…

日本をもっと高齢化社会に

2015 年に亡くなられた偉大なポルトガルの映画監督、マノエル・ド・オリヴェイラは、亡くなられる一年前の105 歳まで作品を発表している。クリント・イーストウッド監督も、中島貞夫監督も、明日から『イメージの本』(2018) が日本で封切られるジャン・リュ…