ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

Stand by Me

YouTube で 2 億回近く再生されている1961 年のこの曲をここであえて挙げるのは別に人生観が変わったわけではなく、前の記事で挙げた “Oh, Carol” 以外にも /æ/ の発音の典型例をもう一つ挙げておきたかったからである。前の記事でもあったように darlin’ の…

/æ/ と /ɑ/

英語だと lingerie の発音は、/lˈænʒri/ で 綴字の i を /æ/ で発音するが、米語では /ɑ/ であるので、a 以外の文字で、/æ/ になるのは、彫刻家の Rodin (/rˈoʊdæn/ であるとか、「音色、音質」を意味する timbre(/tˈæmbɚ/) ぐらいの少数の単語に留まる。つ…

Shoo Fly Pie and Apple Pan Dowdy

Shoo Fly Pie (写真上) と Apple Pan Dowdy (写真下) は Pennsylvania 州に移住してきたドイツ語圏の移民たちによる “Pennsylvania Dutch cuisine” のデザートである。この曲は、1945 年に出版された曲で Dinah Shore と Stan Kenton 楽団のものが有名である…

母音 /ʌ/

スタンダード曲を聴いていると “love” という単語がもの凄い頻度で出てくるので、さすがに love の母音である /ʌ/ の音はいいのではないか。「あ」の音に近いがもう少し喉の奥で鳴らす音である。最近の母音図を見ると /ʌ/ を円唇にすると /ɔ/ になるような位…

Indescribably Blue

1966 年のプレスリーの曲。 Our friends all ask meThe last time I saw youAnd I smile and tell themIt's been a day or twoThere's no way to explain itThe way that I miss youAnd my love, you have left meIndescribably blueI talk to your pictureM…

I Will Follow You

Follow の米語の発音は、/´fɑloʊ/ である。日本語にない発音のオンパレードであり、ストレスも最初の音節にかかる。/ɑ/ の音は直前の love にある /ʌ/ と比較することができる。どちらも非円唇である(非円唇とは、円唇でなければ音はどれもそんなに変わらな…

綴りと発音

すでに紹介した Ella Fitzgerald の “Bewitched, Bothered, Bewildered” は 20 世紀が残した美しい名唱だと個人的に思っている。 当然であるが、この曲だけでなく、英語の歌はライムに注目して聞く習慣をつける必要がある。詩や歌に限らず、ライムというのは…

You Belong to Me

1952 年に発表されたこの曲は、数多くの歌手によって録音されたが Jo Stafford のものが最もヒットしたらしい。映画『キャロル』(Carol, 2015) では、この曲に関しては Helen Foster の歌唱が使われた。1950 年代に海外でサービスをしている米国民から最もリ…

Goodbye Mr. Tears

1965 年の浜口庫之助の曲だが、日本で一番ヒットした Johnny Tillotson の EP が家にあって聞いていたなあと思い、下の 2:44 から始まる英語の方(A面)を聴いてみたが、なかなかリスニングの参考になる。/f/ の発音するときって、上の唇が邪魔だったらアヒル…

音節のリズム

一般論だけど書くことないので。 個人的にそう思っているにすぎないのだが、赤ちゃんが言葉を覚え始めて「マーマー」とか「マンマ」とか言い始めるのは偉大な進歩 だと思う。言葉が分節されていることを理解したのだ。 英語のリスニングも、英語の音の分節の…

Suppose

1967 年のエルヴィスのホーム・レコーディングをダブしたもの。 Suppose no rose should ever grow againSuppose no brook should ever flow againSuppose no star should ever glow againSuppose you didn't love me Suppose there were no bees or butterf…

脱・日本語なまり

神山孝夫さんが書かれた「脱・日本語なまり」という本にある発音のテスト10題は極めてわかりやすく、自分の発音をチェックするのに有効だと思う。もちろん、これだけでは不足だと思うけど、後、何題か付け加えれば実用的には充分という気もする。20 題以内で…

Mona Lisa

Nat King Cole の 1950 年の曲。娘の Natalie Cole も 1992 年にこの曲をカバーしている。 1950:Nat King Cole: Dennis Day: Victor Young: Art Lund: Harry James and his Orchestra: Ralph Flanagan: Charlie Spivak: Moon Mullican: Jimmy Wakely: 1956:B…

/m/ < /n/ < /ŋ/

簡単にいうと「広東麺」でも「ワンタン麺」でもいいのだが、三つある単語の「ん」の最初は英語の /n/ で次の「ん」が英語の/m/ で最後の「ん」が英語の /ŋ/ である。 皆、同じ 「ん」にしか聞こえていないんだとしたら、やっぱり日本語のフィルターがかかっ…

Yesterdays (再掲)

英語の例示として何かというとビートルズの “Yesterday” が使われる退屈さを避けるために、すでに取り上げた “Yesterdays” を再度取り上げてみる。 この中から、Billie Holiday の 1952 年の録音を下に挙げて、歌詞も掲載しておく。 YesterdaysYesterdaysDay…