ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

A Christmas Twist

YouTube のホームでリコメンドしてくる動画は、こちらの過去の閲覧履歴を参照しているせいか 1950 年以前のものばかりしかない上に、こちらが驚くような思いがけない動画がなく見たことがあるものばかりで、「過学習」ではないかと感じていた。しかし、今日…

No Other Love

トッド・ヘインズ監督の『キャロル』(Carol, 2015) は、ここ数年で作られた映画の中でお気に入りの一本。決して、偉大な映画などではないが、かといって世の中に掃いて捨てるほどある、偉大であろうとしながらそれになりそびれた映画でもない。キャロル (ケ…

定礼

バングラデシュの農村部でのグラミンの活動他を見ていると、自分が一時期住んだことがある福岡県宗像郡で行われていた「定礼」のことに必然的に連想がいく。日本のUHC (Universal Health Coverage) においてユニークだとされる「国民健康保険」の成立の歴史…

黒川泰一『保険政策と産業組合』(1939)

この間、インドのマドゥバニで同じような医療供給体制を見たばかりなので、その先見性に感動。 地勢上、交通上 1 ブロックをなす地區の中心に、近代醫學の粹を集めた完全なる總合病院を設置し、此處に多數の優秀なる人的要素を擁する。かくて之を「基地」と…

5つの銅貨

レッド・ニコルズのことを書いたので、メルビル・シェイブルソン監督の『5つの銅貨』(The Five Pennies, 1959) を久しぶりにみた。この映画、ヴィスタ・サイズだったんだ。 南里文雄がこの主題歌を演奏しているものがある。 5つの銅貨[AmazonDVDコレクション…

Ida! Sweet as Apple Cider

ディック・ミネに 『アイダ』というタイトルをもつレコーディングがある。レコーディングは 1936 年の 11 月になっている。 もちろん、この二年前の 1934 年に、ミネが同じ女性名をタイトルに持つ『ダイナ』をヒットさせたことは周知の通りであるが、杉原泰…

ドレミファ娘の血は騒ぐ

黒沢清監督の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985) をものすごく久しぶりに見返していた。なぜ見返したかというと、この前インドに行ってガンジス川を渡ったとき川を渡る映画をいろいろ思い出していたら、その一本として『神田川淫乱戦争』(1983) が出てきたの…

インドから遠く離れて

帰国した。行きに成田空港の書店で搭乗までの時間潰しをしていたら、「藤本隆宏」の名前があったので、もしかして面白いのではという期待で『現場から見上げる企業戦略論』というタイトルのついた新書を買って飛行機の中で読んだ。テレビを見たり、日本の新…

印度の夜

ほんの短い滞在だったけれども、ビハール州の州都パトナーからガンジス川を橋で渡り、仏教生誕の地であり歴史的には日本とはまったく無関係とは言えない地域をネパールの国境に近いマドゥバニまで行ってきた。ビハール州は経済的にはインドで最も「貧しい」…

道頓堀行進曲

インドのビハール州の州都、パトナーからネパールの国境に近いマドゥバニにやってきて、爽快なまでに英語が通じない現地のホテルに宿泊しているのだが、そこでは英語のメニューで料理を注文しているにもかかわらず、必ず別の料理や飲み物が出てきて、まるで…

短期的な経済価値と作品価値

前回の記事で、一般には日本映画がピークを過ぎて経済的には崩壊しているとされる時期にさえ、充実した質の高い作品が作られていたことを三隅研次監督の作品を例にとって説明したが、そのような例は、実は枚挙にいとまがない。たとえば、前の記事で名前を出…

物語や思想に還元できない面白さ

日本のテレビ世帯普及率は、1957 年が 5.1 パーセント、58 年が 11 パーセント、59 年が 23.1 パーセントであり、いわゆる「キャズム (普及の谷間)」を超えるのは 1958 年頃である。実際、「一億総白痴化」が流行語になったのは 1957 年頃であった。映画館の…

ジャン・ルノワール自伝

ジャン・ルノワール監督が書いたものは、みすず書房から発行されている翻訳の『ジャン・ルノワール自伝』しか読んだことがないし、それとて何度も繰り返し読んだという記憶はない。学生時代に買ったものだが、奥付けをみると 1977 年 7月 5 日発行になってい…

平野愛子

なんか疲れているので、脈絡がない。 ← いつもか 横浜の『港の見える丘公園』に行ったら、公園の名前の由来になったこの曲『港が見える丘』(1948) の歌碑がある。 ← 神奈川県民なので宣伝

三條町子

『恋の蘭燈』(1951) を見て滂沱の涙にくれる。この映画はクリスマス映画だったんだ。暁テル子が出演しているけれども、彼女はこの 1951 年に自分の代表曲をレコーディングしている。 『東京シューシャインボーイ』はロバート・アルトマン監督の『M*A*S*H』(1…