前の記事の続き. 今度はグラフを移動しないやり方で, いままでの解法を整理しておく. 下の二つの問題が解ければ, 他の問題もさして難しくないだろう.
【問】
次方程式 の異なる実数解のうち, ただ つが, の範囲にあるような定数 の範囲を求めよ.
【解】
問題で の範囲といっているのは, の必要十分条件のことである.
とおき, の解を , () とする.
ならば, の範囲にただひとつの実数解を持つ. (逆は一般に成立しない. )
次に, または となる場合を調べる. この場合, 異なる実数解を つ の範囲に持つ場合は存在しないことに注意する.
のとき, で, だから, の範囲に実数解は存在しない.
のとき, で, だから, の範囲に実数解は存在しない.
のとき, の範囲に実数解は存在しないか, 異なる実数解の両方が存在する.
以上より, 求める の必要十分条件は,
である.
//
【問】
次方程式 が, の範囲に少なくとも つの実数解を持つような定数 の範囲を求めよ.
【解】
とおき, の解を , () とする.
実数解が にひとつも存在しない解の配置は,
であり,
として,
上記の否定をとって
以上より, 求める の必要十分条件は,
である.
//
※ 以下は, 解の配置の基本問題である.
【問】
の 解 (重解含む) がともに より大きいための条件を求めよ.
【解】
解をもつので, としてよい.
として, とおけば,
解 (重解含む) がともに より大きいための必要十分条件は,
これから,
以上より, 求める必要十分条件は,
または
//