ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

2次方程式の解の配置

前の記事の続き. 今度はグラフを移動しないやり方で, いままでの解法を整理しておく. 下の二つの問題が解ければ, 他の問題もさして難しくないだろう.

【問】
2 次方程式  x^2 -2ax+4a -9 = 0 の異なる実数解のうち, ただ 1 つが,  0 < x < 4 の範囲にあるような定数  a の範囲を求めよ.

【解】
問題で a の範囲といっているのは, a の必要十分条件のことである.

 f(x) = x^2-2ax + 4a -9

とおき,  f(x)= 0 の解を  \alpha,  \beta ( \alpha < \beta) とする.

 f(0)f(4) < 0 ならば,  0 < x < 4 の範囲にただひとつの実数解を持つ. (逆は一般に成立しない. )

 \displaystyle{f(0)f(4) = (4a -9)(-4a + 7) < 0
\\ \iff \left(a < \frac{7}{4}\right) \vee \left(a > \frac{9}{4}\right)}

次に,  f(0) = 0 または  f(4) = 0 となる場合を調べる. この場合, 異なる実数解を 2 0 < x < 4 の範囲に持つ場合は存在しないことに注意する.

 f(0) = 0 のとき,  \displaystyle{a = \frac{9}{4}} で,  \displaystyle{f(4) = -2} だから,  0 < x < 4 の範囲に実数解は存在しない.

 f(4) = 0 のとき,  \displaystyle{a = \frac{7}{4}} で,  \displaystyle{f(0) = -2} だから,  0 < x < 4 の範囲に実数解は存在しない.

 f(0)f(4) > 0 のとき,  0 < x < 4 の範囲に実数解は存在しないか, 異なる実数解の両方が存在する.

以上より, 求める  a の必要十分条件は,

 \displaystyle{a < \frac{7}{4}, \ a > \frac{9}{4}}

である.
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【問】
2 次方程式  x^2 -2mx-m+6 = 0 が,  1 < x < 3 の範囲に少なくとも 1 つの実数解を持つような定数  m の範囲を求めよ.

【解】
 f(x) = x^2-2mx -m +6

とおき,  f(x)= 0 の解を  \alpha,  \beta ( \alpha \leq  \beta) とする.

実数解が  1 < x < 3 にひとつも存在しない解の配置は,

 \text{i)}   \alpha \leq 1 <  3 \leq \beta
 \text{ii)}  \alpha \leq \beta \leq 1 < 3
 \text{iii)}  1  < 3  \leq \alpha \leq \beta

であり,

\displaystyle{ \frac{\alpha + \beta}{2} = m}
 f(x) =(x - \alpha)(x - \beta)
 f(1) = 7-3m
 f(3) = 15-7m

として,

\displaystyle{ \left\{\begin{array}{l}f(1)\leq 0\\
f(3) \leq 0\\\end{array}\right. \vee
 \left\{\begin{array}{l} (m \geq 3)\vee(m \leq 1)\\f(1) \geq 0\\f(3) \geq 0\\\end{array} \right. 
\\ \iff \left(m \geq \frac{7}{3}\right) \vee (m \leq 1)}

上記の否定をとって

\displaystyle{1< m < \frac{7}{3}}

\displaystyle{(D \geq 0) \wedge \left(1< m < \frac{7}{3}\right)
\\ \quad \iff 2 \leq  m < \frac{7}{3}
}

以上より, 求める  a の必要十分条件は,

 \displaystyle{2 \leq m < \frac{7}{3}}

である.
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※ 以下は, 解の配置の基本問題である.

【問】
 ax^2+(1-5a)x+6a = 0 2 解 (重解含む) がともに  1 より大きいための条件を求めよ.

【解】
 2 解をもつので,  a \neq 0 としてよい.

 \displaystyle{x^2 +\left(\frac{1}{a}-5\right)x+6 = 0}

として,  \displaystyle{2b = - \frac{1}{a}+5} とおけば,

 x^2 -2bx+6 = 0

 2 解 (重解含む) がともに  1 より大きいための必要十分条件は,

\displaystyle{ \left\{\begin{array}{l}
D \geq 0\\
b > 1\\
f(1) > 0\\\end{array}\right. 
\\ \iff \left\{\begin{array}{l}
b^2 -6 \geq 0\\
b > 1\\
b  <  \dfrac{7}{2}\\
\end{array}\right. 
\\ \iff \left\{\begin{array}{l}
(b  \geq \sqrt{6}) \vee (b  \leq -\sqrt{6})  
\\1< b <  \dfrac{7}{2}\\
\end{array}\right. 
\\ \iff  2\sqrt{6} \leq 2b <  7
}

これから,

\displaystyle{
2\sqrt{6} \leq - \dfrac{1}{a}+5 < 7\\
\\ \iff -2 <  \dfrac{1}{a} \leq 5-2\sqrt{6}\\
\\ \iff \left\{\begin{array}{l}
a \neq 0\\
a(2a+1) >0 \\
a\{(5-2\sqrt{6})a-1\} \geq 0\\
\end{array}\right.
\\ \iff \left\{\begin{array}{l}
a(2a+1) >0 \\
a\{(5-2\sqrt{6})a-1\} \geq 0\\
\end{array}\right.
\\ \iff \left\{\begin{array}{l}
(a>0) \vee \left(a < - \dfrac{1}{2}\right) \\
(a \geq 5 + 2\sqrt{6}) \vee \left(a \leq 0\right)\\
\end{array}\right.
\\ \iff \left(a < - \frac{1}{2}\right)  \vee (a \geq 5 + 2\sqrt{6}) \\
 }

以上より, 求める必要十分条件は,

 \displaystyle{ a \lt -\frac{1}{2}} または  \displaystyle{\ a \geq 5 + 2 \sqrt{6}}
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