ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

竹取物語 (17)

中将とりつれはふとあまの羽ころも
うちきせ侍りつれはおきなをいとをし
かなしとおほしつる事もうせぬ此き
ぬきつる人は物思ひなくなりにけれは
車にのりて百人はかり天人くして
上りぬそのゝちおきな女ちのなみたを
なかしてまとへとかひなしあの書をき
し文をよみてきかせけれと何せんに
か命もおしからんたかためにか何事も
ようもなしとてくすりもくはすやかて
おきもあからてやみふせり中将人々
ひきくしてかへりまいりてかくやめを
えたゝかひとめすなりぬるをこま〳〵と
そうすくすりのつほに御文そへてま
いらすひろけて御覧していとあはれ
からせ給ひて物もきこしめさす御あ
そひなともなかりけりたいしん上達

部をめしていつれの山か天にちかき
とゝはせ給ふにある人そうすするかの國
にあるなる山なん此都もちかく天も
ちかく侍るとそうすこれをきかせたまひ

あふこともなみたにうかふ我身には
しなぬくすりもなにゝかはせん
かの奉る不死のくすりに又つほくして
御使に給はすちょくしには月のいはかさと
いふ人をめしてするかの國にあなる山のい
たゝきにもてつくへきよし仰給ふみ
ねにてすへきやうをしへさせ給ふ御文
ふしのくすりのつほならへて火をつけて
もやすへきよし仰給ふそのよしうけ
たまはつて兵者もあまたくして山への
ほりけるよりなん其山をふしの山
とは名付ける其けふりいまた雲の
中へたちのほるとそいひつたへたる