ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

竹取物語 (16)

内外なる人の心とも物におそはるゝ
やうにて相たゝかはん心もなかりけり
からうしておもひおこして弓矢をとり
たてんとすれとも手にちからもなくな
りてなへかゝりたる中に心さかしき
ものねんしていんとすれともほかさまへ
いきけれはあれもたゝかはて心地たゝ
しれにしれてまもりあへりたてる人ともは
さうそくのきよらなる事物にもにす
とふ車一くしたりらかいさしたり其中
に王とおほしき人宮つこまろ家に
まうてこといふにたけくおもひつるみやつこ
まろも物にゑひたるこゝちしてうつふしに
ふせりいはく汝おさなき人いさゝかなる
くとくをおきなつくりけるによりて汝かた
すけにとてかた時のほとゝしてくたしゝ
をそこらの年頃そこらのこかね給ひて
身をかへたるかことくなりにけりかくや姫
はつみをつくり給へりけれはかくいやし

きをのれかもとにしはしおはしつるなり
つみのかきりはてぬれはかくむかふるお
きなはなきなけくあたぬ事なりはや返
し奉れといふおきなこたへて申かくや
ひめをやしなひたてまつる事廿余年
に成ぬかた時との給ふにあやしくなり
成侍りぬ又こと所にかくや姫と申人そお
はしますらむといふこゝにおはするかくや
ひめはおもき病をし給へはえ出おはし
ますましと申せは其返事はなくて屋の
うへにとふ車をよせていさかくやひめ
きたなき所にいかてかひさしくおはせん
といひたてこめたる所の戸すなはちあき
にあきぬかうしともに人はなくして
あきぬ女いたきてゐたるかくや姫とに出ぬ
えとゝむましけれはたゝさしあふきて
なきおり竹とり心まとひてなきふせる
所によりてかくや姫いふこゝにも心にも
あらてかくまかるにのほらむをたに見を
くり給へといへとも何しにかなしきに

見をくり奉らん我をいかにせよとてすてゝ
のほり給ふそくしてゐておはせねと
なきてふせれは御心まとひぬ文をかき
置てまからんこひしからんおり〳〵とり出
て見給へとて打なきてかきことはは此國
に生れぬるとならはなけかせ奉らぬほと
まて侍らて過わかれぬる事返す〳〵ほ
ゐなくこそ覚侍れぬきをく衣をかた
みと見給へ月の出たらん夜はみをこせ
給へ見捨奉りてまかるそらよりも落ぬ
へき心ちするとかきをく天人の中に
もたせたるはこありあまの羽衣いれり又
あるは不死のくすり入りひとりの天人
いふつほなる御くすり奉れきたなき所の
物きこしめしたれは御心地あしからん物
そとてもてよりたれはいさゝかなめ給ひ
てすこしかたみとてぬき置ころもにつゝ
まんとすれはある天人つゝませす御そを
とりいたしてきせんとすその時にかくやひめ
しはしまてといひきぬきせつる人は心こと

になりといふもの一こといひ置へき事
ありけりといふて文かく天人をそしと
心もとなかり給ひかくやひめ物しらぬ事
なのたまひそとていみしくしつかにおほ
やけに御文奉り給ふあはてぬさまなり
かくあまたの人を給ひてとゝめさせ
給へとゆるさぬむかへまうてきてとりいて
まかりぬれは口おしくかなしき事宮
つかうまつらすなりぬるもかくわつらはしき
身にて侍れは心得すおほしめされつらめ
とも心つよくうけたまはすなりにし事
なめりなるものにおほしめ (?)しとゝめられ
ぬるなん心にとまり侍りぬとて
いまはとてあまの羽ころもきるおりそ
君をころもとおもひいてたる
とてつほのくすりそへて頭中将をよひよ
せて奉らす中将に天人
とり
つたふ