ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

竹取物語(13)

ゆるさしとすとてゐておはしまさ(?)んと
するにかくやひめこたへてそうすをのか
身は此國にかくやひめうまれて侍らは
こそつかひ給はめいとゐておはしまし
かたくや侍らんとそうす御門なとかさあらむ
なをゐておはしまさんとて御こしをよせ
給ふに此かくやひめきとかけになりぬは
かなくくちおしとおほしてけにたゝ人には
あらさりけりとおほしてさらは御ともには
ゐていかしもとの御かたちとなり給ひね
それをみてたにかへりなんとおほせらるれ
はかくやひめもとのかたちになりぬ御門な
をめてたくおほしめさるゝ事せきとめか
たしかく見せつる宮つこ丸をよろこひ
給ふさて仕まつる百くわん人ゝあるしいかめし
うつかうまかるみかとかくやひめをとゝめて
帰給はん事をあかすくちおしくおほし

けれと玉ゐしをとゝめたる心ちして
なんかへらせ給ひける御こしに奉りて
かくや姫に
かへるさのみゆきものうくおもほして
そむきてとまるかくやひめゆへ
御返事
むくらはふ下にも年はへぬる身の
なにかは玉のうてなをも見む(舞?)
これを御門御らんしていかゝかへり給はんそら
もなくおほさる御心はさらにたちかへるへく
もおほされさりけれとさりとて夜をあか
し給ふへきにあらねはかへらせ給ひつね
につかうまつる人を見給ふにかくやひめのかた
はらによるへくたにあらすこと人よりはけう
らなりとおほしける人のかれにおほし合
すれは人にもあらすかくやひめのみ御かた〳〵
御心にかゝりてたゝひとり過し給ふよしなく
御かた〳〵にもわたり給はすかくやひめの御
もとにそ御文をかきてかよはせ給ふてお
もしろく木草につけて御歌をよみて

つかはすかやうにて御こゝろをたかひになく
さめたまふほとに三年はかり
ありてはるのはしめよりかくやひめ月
のおもしろう出たるをみてつねよりも
ものおもひたるやうなりある人の月の
かほ見るはいむ事とせいしけれとも
ともすれは人まにも月をみてはいみし
くなき給ふ七月十五日の月に出ゐてせ
ちにものおもへるけしきなりちかくつか
はるゝ人々竹取のおきなにつけていふ
かくやひめれいも月をあはれかり給へとも
此ころとなりてはたゝ事にも侍らさめり
いみしくおほしなけく事あるへしよし〳〵
見奉らせ給へといふをきゝてかくやひめに
いふやうなんてうこゝちすれはかくものを
おもひたるやうにて月を見給ふそうまし
き世にといふ