それを見給ひてあなかひなのわさやと
のたまひけりよりそおもふにたかふ事をは
かひなしといひけるかひにもあらすと見
給ひけるに御心ちもたかひてからひつ
のふたに入られ給ふへくもあらす御
腰はおれにけり中納言はいくいけた
たるわさしてやむことを人にきかせしと
したまひけれとそれをやまひにていと
よはくなり給ひにけりかひをえとらす
なりにけるよりも人のきゝわらはん事を
日にそへておもひ給ひけれはたゝにやみ
しぬるよりも人きゝはつかしく覚え給ふ
なりけりとこれをかくやひめきゝてとふらひ
にやる歌
年をへて波立よらぬすみの江の
まつかひなしときくはまことか
とかきてはつるたえ入給ひぬこれをきゝて
かくやひめすこしあはれとおほしけり
それよりなんうれしき事をはかひ
ありとはいひけるさてかくやひめかたち
世に似すめでたき事をみかときこし
めして内侍なかとみのふさこにの給お
ほくの人の身をいたつらになしてあは
さるかくやひめはいかはかりの女そとまかり
みてまいれとの給ふふさこうけたまはつて
まかれりたけとりの家にかしこまつて
しやうしいれてあへり女に内侍の給ひ
仰事にかくやひめのうちいうにおはす
なりよくみてまいるへきよしの給はせ
つるになんまいりつるといへはさらはかく
申侍らんといひて入ぬかくやひめはやか
の御使にたいめんし給へといへはかくや
ひめよきかたちにもあらすいかてかみゆ
へきといへはうたてものたまふかな御
門の御つかひをはいかてかをろかにせんと
いへはかくやひめのこたふるやう御門の
めしてのたまはん事かしこし共おもえ
すといひてさらに見ゆへくもあらすむ
める子のやうにあれといと心はつかしけ
にをろかなるやうにいひけれは心のまゝに
もえせめすないしのもとにかへり出て
口おしくこのおさなきものはこはく侍る
ものにてたいめんすましきと申ない
しかならす見奉りてまいれと仰ことに
有つる物をみ奉らてはいかて帰り参らん
國王のおほせ事をまさに世にすみ
給はん人のうけたまはてありなんや
いはれぬことなし給ひそとことははちし
くいひけれはこれをきゝてましてかく
やひめ聞へくもあらす國王のおほせ
事をそむかははやころし給てよ
かしといふ
ないし此よしを
きゝて
みやこに
かへりて
きみに此よし
を
そうす