「 のそれぞれの内角の 等分線の交点のうち, 辺に近い 点を結んでできる三角形は正三角形である」という, 名高いモーリーの定理. 日本では, 年頃によく知られるようになり, 林鶴一が 年に, フランク・モーリーから林宛の書簡を添えて紹介記事を書いているのを見たことがある. 下の証明は同一法によるものである.
において, の三等分線と の三等分線の交点を図のように, , とおく.
とする. は, の内心であるので, 記事 で注意したように,
である. について, と対称な点を とし, について, と対称な点を とする.
ここで, 上に, となるように点 をとる. 同様に, 上に, となるように点 をとる.
このとき, と は合同であることがわかるので, であり, したがって は正三角形である. また, であるから, ,, は, を中心とする円の周上にある. したがって,
である.
したがって,
また,
したがって,
つまり, , , , は, 同一円周上にある. 同様にして, , , , も, 同一円周上にある. したがって, , , , , は同一円周上にある.
であるから, , は の三等分線と一致する. の三等分線と , , を通る円の交点 , はただひとつに決まるので, , であることがいえ,
となって, は正三角形である.
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