シムソンの定理の初等幾何による証明が出てきたのでスタイネル (Steiner) の定理の初等幾何による証明もみておく.
【定理】
の垂心を とし, 外接円周上の 点を とすると, 点 の に関するシムソン線は線分 の中点を通る.
【証明】
最初に記号の定義をする.
シムソン線上の点 , , をそれぞれ, から , , に下ろした垂線の足とする.
の中点を とする.
から に下ろした垂線の足を とし, が再び外接円と交わる点を とする. また, から に下ろした垂線の足を とする.
を対称軸として の対称点を とし, 直線 が再び外接円と交わる点を とする.
次に証明の方針であるが,
は の辺 の中点と, の中点を結んだ線であるから, 中点連結定理により, と は平行である. したがって, と が平行であることが証明できれば, はシムソン線 上にあるといえる.
と が平行であることの証明:
であることを示すことによって証明する.
まず, なので, 点 , , , は同一円周上にある。
したがって, であるが, なので, である. と は平行であるから,
である. 四角形 は円に内接しているから,
したがって,
である. これから, がいえると, がいえ, と が平行であることが証明できる.
であることの証明:
と は相似だから, である. ところが, なので, である. したがって, と は合同であり, である. したがって, と は について対称であり, このことから, であることがいえた.
以上から と は平行であり, したがって, はシムソン線上にある.
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