積分計算で, 三角関数の積を和に変えることが必要になることがあるが, 三角関数の積和公式は覚える必要はないし, 必要でもないので, 導出するだけ時間の無駄である.
前回の記事で双曲線関数がそうであったように,
と
は同値なのだから, 後は加法定理を知っていればすぐに計算できる. ちなみに, この形は関数を偶関数と奇関数のパートに分割するときや, 対称式と交代式に分けるときなどにもでてきたりする.
もちろん, 順番が入れ替わっていても,
となって, 両者の結果は変わらない. 以下に例をいくつかあげる.
和積公式に至っては, さらに必要ない. たとえば,
を積の形にしたかったら, 足して , 引いて となる つの数は, 冒頭の結果から暗算できるので,
として, 後は上式を加法定理にもとづいて計算するだけである. 結果は,
となる.