双曲線関数 , は, オイラーの公式と似ている,
で定義された関数である. は,
で定義される.
である. これから,
もすぐにわかる. 後は双曲線関数の加法定理,
で, の符号が三角関数と違うことだけ覚えておけばよい. その他の公式は, 三角関数同様, すべてこれらから導ける.
微分は実際に計算すれば,
となる, 双曲線関数が全単射となるよう,
とすれば, 逆関数 , , を定めることができる.
逆関数 の微分を求めておくと, として, に注意して,
したがって,
となる.
から,
となり, から,
となる. したがって,
なので,
という, 自然に憶えてしまう積分結果となる. さらに,
から,
なので,
となる.
次に, 逆関数 の微分を求めておくと, の定義域において, 導関数の定義域は開区間で考えることから*1, のとき, であることに注意すると,
したがって,
となる.
から,
となり, から,
となる. したがって,
なので,
()
という, 結果となる.
*1:微分係数 は, 左微分係数と右微分係数の両方の微分係数が存在して, かつ一致する場合, つまり の場合のみ存在する. したがって, の定義域が 閉区間の場合,その端点で は微分可能ではない. 一方, 閉区間 の関数 の連続は, 端点 , については, (右連続), (左連続) を充せばよい. 高校数学ではこういう扱いになっている.