三角関数の有理式を積分する場合に, とおくのは有名だが, 計算がやや煩雑になるなので最後の手段で使うべきである. 前の記事 でもそうだったが, まず置換積分ができないか検討するのは, よい方略だと思う.
たとえば, 不定積分,
のような場合,
だから,
となって,
と, と置く前にあっけなく解けてしまった. この定積分は, 「特殊な定積分」として, と置けと教わるが, 不定積分でもそんなにコストをかけずに解けることがわかった.
これが,
だと, と置いてもよいかなという気になる (置かなくても解けるが).
で分母, 分子を で割って,
となり, これから,
部分分数分解して,
したがって,
変数を戻して,
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※ 三角関数の積分をやっていると, (次数下げのために) よく 倍角の公式が必要になるが, ド・モアブルの定理と 乗の公式 (あるいは 項定理) から求めればよい.
だから,
である.
あるいは,
とするのも簡便かもしれない.
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