ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (215)

参考書の解答が嫌なので……

【問】
放物線  y = x^2 上に 2 P(t, t^2),  Q(t+1, (t+1)^2) をとる.  t -1 \leq t \leq 0 の範囲を動くとき, 線分  PQ が通過する領域を図示せよ.

【解】
線分  PQ 上の点を  (x, y) とすると,  (x,y) は, 直線  PQ 上にあることから,

 \begin{eqnarray}
 y &=& (2t+1)x -t^2-t \\
    &=& -\left(t-x +\frac{1}{2}\right)^2 + x^2 + \frac{1}{4}
\end{eqnarray}

で, 凸性から,

 y \geq x^2

をみたす(等号成立は点  P または点  Q).

(1)  x - 1/2 < -1, すなわち,  x < -1/2 のとき,  y は,  t = -1 で最大値をとり, このとき,

 y \leq -x

(2)  -1 \leq x - 1/2 \leq 0, すなわち,  -1/2 \leq x \leq 1/2 のとき,  y は,  t = x -1/2 で最大値をとり, このとき,

 \displaystyle{y \leq x^2 + \frac{1}{4}}

(3)  0 <  x - 1/2 , すなわち,  x > 1/2 のとき,  y は,  t = 0 で最大値をとり, このとき,

 y \leq x

以上から求める領域は, 下図のようになる. ただし, 境界を含む. (グラフ横軸は  x, 縦軸は y を示す.)

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 t \leq x \leq t+1 なので,

 \begin{eqnarray}
 y &=& -\left(t-x +\frac{1}{2}\right)^2 + x^2 + \frac{1}{4}
\end{eqnarray}

で,  t が,

 -1 \leq t \leq 0

かつ,

 x -1 \leq t \leq x

の範囲 (後者の範囲の中点は  2 次関数の軸の位置) であるときの y の最小値, 最大値を x のとりうる値で場合分けすることで領域を求めれば計算としてはよいのだが,  y の最小値の方は,  t が存在するとき, いつも  x^2 であることは, ほとんど自明である.  t =x-1,  t =x で,  y = x^2 であることに注意し,  2 つの幅 1 の区間をどのようにずらして重ねても,  t = x-1,  t= x の少なくとも一方は必ず空でない共通範囲 ( -1 \leq x \leq 1) に含まれている.

なお, どうしても最小値を含めて計算したければ, 以前の記事でやったように, グラフを移動して上の条件と同値な,

 \begin{eqnarray}
 y &=& -t^2 + x^2 + \frac{1}{4}
\end{eqnarray}

で,  t が,

 \displaystyle{-x -\frac{1}{2} \leq t \leq -x + \frac{1}{2}}

かつ

 \displaystyle{-\frac{1}{2} \leq t \leq \frac{1}{2}}

という条件で考えることもできる.

この移動したグラフを使って,

 \displaystyle{f(t) = t^2 + y -x^2 - \frac{1}{4}}

とし,  0 \leq x \leq 1 のとき,  t の範囲が,  -1/2 \leq  t \leq -x + 1/2 で与えられることから, この範囲で  f(t) = 0 が少なくとも一つの実数解をもつ条件を以前の記事 (170) にしたがって調べると,

 f(0) \leq 0 から,

 \displaystyle{y - x^2 - \frac{1}{4} \leq 0}

であり, また,

 f(-1/2) = y - x^2
 f(- x + 1/2) = y - x

となって,  f(-1/2) \geq 0 または  f(-x + 1/2)\geq 0 の領域から,  -x + 1/2 <  0 かつ  f(-x+ 1/2) > 0 を除外した領域は,

 y \geq x^2 または  y \geq x

から  x >  1/2,  y > x の部分を除いた領域  Aである.

したがって,  0 \leq x \leq 1 で少なくとも一つの実数解をもつ条件は,  y \leq x^2 + 1/4 の領域と上記領域  A の共通領域になる (つまり, グラフの第 1 象限で示す領域である).

 -1 \leq x \leq 0 の場合もまったく同様にできる. このとき,  t の範囲は -x -1/2 \leq  t \leq 1/2 で与えられ, この  t の範囲で,  f(t) = 0 が少なくとも一つの実数解をもつ条件を調べればよい. 結果だけ書けば,

 y \geq x^2 または  y \geq -x

から  x < -1/2,  y > -x となる部分を除いた領域を  B として,

 y \leq x^2 + 1/4 と上記領域  B の共通領域である (つまり, グラフの第 2 象限で示す領域である).
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以上から, 以下のような別解が考えられる.

【別解】

線分  PQ 上の点を  (x, y) とすると,  (x,y) は, 直線  PQ 上にあることから,

 \begin{eqnarray}
 y &=& (2t+1)x -t^2-t \\
    &=& -\left(t-x +\frac{1}{2}\right)^2 + x^2 + \frac{1}{4}
\end{eqnarray}

である.  x が与えられたとき,  t のとりうる範囲は,

\rm{i})  -1 \leq x  \leq 0 のとき,
 -1 \leq t \leq x

 \rm{ii})  0 \leq x  \leq 1 のとき,
 x -1 \leq t \leq 0

である. したがって,

 \displaystyle{f(t) = \left(t-x+ \frac{1}{2}\right)^2 + y - x^2-\frac{1}{4}}

とおいて,  \rm{i}),  \rm{i i}) の範囲で,  f(t) = 0 となる実数  t が少なくとも一つ存在する条件を調べればよい.

 f(t)= 0 がそもそもいずれかの実数解を持つためには,  f(x-1/2) \leq 0 を満たすことが必要十分なので,

 \displaystyle{y \leq x^2+ \frac{1}{4} }

は,  \rm{i}),  \rm{i i}) の双方で必要な条件である.

\rm{i}) の場合:

 f(-1) \geq 0 または  f(x) \geq 0 の領域から,  2 次関数の軸が  x - 1/2 < -1 にあるとき  f(-1) > 0 となる部分を除いた領域が条件となる.

 -1 \leq x \leq  0 だから, 上の条件は,
 y \geq x^2 の領域から,  x < -1/2,  y > -x の領域を除いたものと同値である.

 \rm{ii}) の場合:

 f(x-1) \geq 0 または  f(0) \geq 0 の領域から,  2 次関数の軸が  x - 1/2  >  0 にあるとき  f(0) > 0 となる部分を除いた領域が条件となる.

 0 \leq x \leq  1 だから, 上の条件は,
 y \geq x^2 の領域から,  x > 1/2,  y > x の領域を除いたものと同値である.

以上から求める領域は, 下図のようになる. ただし, 境界を含む. (グラフ横軸は  x, 縦軸は y を示す.)

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※ 領域の上側の包絡線は, よく知られた簡単な求め方がある.

 \begin{eqnarray}
 y &=& (2t+1)x -t^2-t 
\end{eqnarray}

の両辺を  t で偏微分して,

 0 = 2x -2t -1

から,

 \displaystyle{t = x - \frac{1}{2}}

上式を元の式に代入して,

 \displaystyle{y = x^2 + \frac{1}{4}}

を得る.  x の範囲は,  -1 \leq t \leq 0 だから,

 \displaystyle{-\frac{1}{2} \leq x \leq \frac{1}{2}}

である.

また, 端点の  t = -1, 0 をそれぞれ元の式に代入すると,

 y = -x,  y = x

をそれぞれ得る.  x < -1/2,   1/2 < x のところは, 端点  x = -1/2,  1/2 で包絡線に接している直線が輪郭として見えているのである.

この場合は明らかだが, 領域が包絡線の上にあるか, 下にあるか不明な場合は, もちろん  t にいくつかの値を代入して直線がどこを通っているのか, 確認すればよいのである!
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