ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (216)

これも余事象を使って解いた方が手っ取り早い.

【問】
 x2 次方程式

 x^2 + 2ax -a + 1 = 0

が,  -1 < x < 3 の範囲にただ 1 つの実数解をもつ条件を求めよ.

【解】
まず, 少なくとも  1 つの実数解をもつ条件を求める.

判別式,

 \displaystyle{\frac {D}{4} = a^2 + a -1 \geq 0}

から,

 \displaystyle{a \leq \frac{-1-\sqrt{5}}{2}},  \displaystyle{a \geq  \frac{-1+\sqrt{5}}{2}}

が得られる.

 \begin{eqnarray}
f(x) &=& x^2 +2ax-a+1\\
       &=& (x+a)^2 -a^2-a+1
\end{eqnarray}

とおいて, 解をもたない  f(-1) \leq 0 かつ  f(3) \leq 0 *1 の余事象  f(-1) > 0 または  f(3) > 0 を求めると,

 f(-1) = -3a+2 > 0 または  f(3) = 5a + 10 >0 だから, 合併は, 実数全体である. 実数解をもつ条件との共通部分は,

 \displaystyle{a \leq \frac{-1-\sqrt{5}}{2}},  \displaystyle{a \geq  \frac{-1+\sqrt{5}}{2}}

となる. ここから, 軸が範囲外にあって,  f(-1) \geq 0 かつ  f(3) \geq 0 となる以下の  2 つの条件 *2 を除けばよい.

 \mathrm{i})  -a \leq -1 f(-1) \geq 0 の場合

このような条件をみたすものは存在しないことがすぐにわかる.

 \mathrm{ii})  -a \geq 3 f(3) \geq 0 の場合

このような条件をみたすものは存在しないことがすぐにわかる.

以上から, 範囲内に少なくとも 1 つの実数解をもつ条件は,

 \displaystyle{a \leq \frac{-1-\sqrt{5}}{2}},  \displaystyle{a \geq  \frac{-1+\sqrt{5}}{2}}

である.

次にここから, 範囲内に  2 つの実数解をもつ条件を除く. ただし, 重解はただ  1 つの実数解なので残しておき, 異なる  2 つの実数解をもつ条件のみ除く.

 -1 < -a < 3,  f(-1) > 0,  f(3) > 0

は,

 -3 < a <1,  a < 2/3,  a > -2

で, 共通部分は,

 \displaystyle{-2 < a < \frac{2}{3}}

となるが,

 \displaystyle{-2 < \frac{-1-\sqrt{5}}{2} < \frac{2}{3}},
 \displaystyle{-2 <  \frac{-1+\sqrt{5}}{2} < \frac{2}{3}}

であるので, 重解条件は残しつつ, この領域を除外すれば, 範囲内にただ  1 つの実数解をもつ条件,

 a \leq -2,  a \geq 2/3,
 \displaystyle{a = \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}}

が得られる.//

※ 以前の記事 (171) の問題もこう解いた方が首尾一貫していた.

*1:この条件は,  2 つの相異なる実数解が範囲外の左右に 1 つずつ存在している条件と同値である.

*2:この条件は, 実数解をもつ場合, すべての実数解が範囲外の左右どちらかにのみ存在している条件と同値である.