ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (202)

方べきの定理とその逆を使うと, 作図に便利なことがある. 特に, ここで扱う作図題で重要なのは,

 \triangle TAB の辺  AB の延長上の 1 点を P とするとき,  PA \cdot PB = PT^2 ならば, 直線  PT は, 円  TAB に接する.

ということである.

まずは, 基本的な例題. 与えられた  2 点を通り, 与えられた直線に接する円を作図する.

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なにはともあれ,  A B を通る直線を書き, 直線  l の交点を  P とする.

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目指すのは方べきの定理の利用なので,  A, B を通る円を適当にもう 1 点決めて  3 点を通る円を図示する (円は 3 点で決まる). 円は  A, B さえ通ればなんでもよい.

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作った円に  P を通る接線を引く. 接線の長さは等しいので, 1 本引けば十分である.

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 P を中心として,  PT を半径とする円を引き, 直線  l との交点を  T', T" とする.

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 A, B,  T' を通る円を書けば所望の円が得られる.  A, B,  T" を通る円も題意を満たす.

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もちろん, 円周上の点で  \triangle ABT' が作れるのならば, どこでもよい.

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今度は与えられた  2 点を通り, 与えられた円に接する円を作図する.

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まず, 与えられた円の周上に 1C をとる.

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 A, B, C を通る円を描く.
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与えられた円とのもう一つの交点を  D とする.

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 A, B C, D を通る直線をそれぞれ書き, 交点を  E とすると, 方べきの定理が使えそうである.

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 E から与えられた円に接線を引き, 得られる二つのそれぞれの接点と,  A,  B を通る円をスクリーンに表示させると, その円は題意を満たす.

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