グラフ を 軸方向に , 軸方向に 移動したときのグラフ がどう表せるのかというのに混乱する子が多い。
うーん!?……
移動後のグラフ 上の点 は と表せるが、その座標は、グラフ の点 を 方向に , 方向に だけ移動させることによっても表すことができるのだから、
となり、
結局、
である。平面の任意の点 が、 を満たすことと を満たすことは同値である。
数 III を含めて、グラフ (陰関数表示で表したが, の陽関数表示でも同じ) の変換が 下のように つほど高校数学に出てくる。最初に出てくるのは数 I の二次関数のところかなあ。このうち 1),2),6) が混乱しやすい。
1) 方向に , 方向に 平行移動
2) 方向に 倍, 方向に 倍拡大/縮小 ()
3) 軸に対称移動
※ に対称移動するには,
, , と順に考えればよい
4) 軸に対称移動
※ に対称移動するには,
, , と順に考えればよい
5) 原点に対称移動
※ に対称移動するには,
6) 原点を中心として だけ回転移動
※ 複素数の知識から, 点 を だけ回転した点,
を計算して実部、虚部を求めればよい。
7) 逆像 ( に関して対称移動)
高校数学の標準的な例題としては、以下のようなものである。
【問】次の円の周上の点 における接線の方程式を求めよ。
【解】
だけ平行移動すると、点 は , 円の方程式は に移る。 を通る の接線の方程式は、
であり、この接線を だけ平行移動して、求める接線の方程式、
を得る。//