前々回の記事の続き。
なんで 3 項間漸化式から始めて 2 項間漸化式を後回しにするかというと、数学では上のレベルにあげると見通しが急によくなることがあるという例として使えそうかなと思っただけである。
必ず習っているだろう、
の場合だって、
として、三項間漸化式を作れば、
となり、 であれば重解はないので、一般解は、
であり、 であれば重解なので、
となることは自明であろう。前回やった非斉次に、なぜあのような式を代入するかも、4 項間多項式まで考えれば、自明である。伝えたいのはそんなところかなあ。
後の小手先の計算テクニックは、例題を実際にやって、いままでの基本形に帰着するやり方がわかれば身につく。ひとつだけ注意しておきたいのは、「分数型」とか呼ばれるもので、たとえば、
のような問題だが、分子の定数項を外すために「特性方程式を計算する」と書いてあるものがあるが、この「特性方程式」なるものは意味合いがいままでのものとは異なるということである。これは、単純に
という原点を通らないグラフがあって、このグラフを原点を通るグラフが、方向に 、 方向にも 移動した結果として表すとして、その を求めよという問題にすぎない。答えは とグラフの交点を求めればよい!実際に計算してみると、このグラフは と接していて、交点は である。(異なる交点が存在する場合はどちらでも好きな方を採用すれば良い。) すると、
だから、原点を通る を だけ平行移動したものが元のグラフだとわかる。したがって、
となり、次にお決まりの手段として分母と分子をひっくり返すのだが、その前に分子が にならないことを確認しておく必要がある。これは、 と仮定すると、 であり、帰納的に となって矛盾することから明らかである。
これで基本形なので、
したがって、
以上より、 で、
となる。