ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (26)

ホンアマリリス。

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ヒメオウギスイセン。

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【問】
ab を互いに素、すなわち 1 以外の公約数をもたない正の整数とし、さらに a は奇数とする。正の整数 n に対して整数 a_{n},  b_{n}

 (a + b\sqrt{2})^n = a_{n}+ b_{n}\sqrt{2}

を満たすように定めるとき、次の \text{(1), (2) } を示せ。ただし、\sqrt{2} が無理数であることは証明なしに用いてよい。

\text{(1)}  a_{2} は奇数であり、 a_{2} b_{2} は互いに素である。
\text{(2)} すべての  n に対して、 a_{n} は奇数であり、 a_{n} b_{n} は互いに素である。

【解】
\text{(1)}
 a_n, b_n の条件式で  n = 2 とし、

 a_{2}+ b_{2}\sqrt{2} \\
=(a + b\sqrt{2})^2\\
= a^2 + 2b^2 + 2ab\sqrt{2}

から、

 a_{2} = a^2 + 2b^2
 b_{2} = 2ab

である。

 a は奇数、したがって  a^2 は奇数、 2b^2 は偶数なので、 a_2 は奇数である。

 a_2 b_2 が公約数として 素数  p >2 を持つと仮定する。そうすると、 s, t を正の整数として、

 a_2 = a^2 + 2b^2 = ps
 b_2 = 2ab = pt

と表すことができる。 b_2 を見ると、  p  は奇素数で、 a, b は互いに素であることから、 p a, b どちらか一方の素因数である。

そこでまず  a = pa' と仮定すると、  a_2 の式から

 (pa')^2 + 2b^2 = ps
 2b^2 = p(s - pa'^2)

 p \neq 2 だから、 bp を素因数として持つ。しかし、これは、 a ,b が互いに素であることと矛盾する。

今度は  b = pb' と仮定すると、 a_2 の式から、

 a^2 + 2(pb')^2 = ps
 a^2 = p(s - 2pb'^2)

となり、 ap を素因数に持つ。しかし、これは a, b が互いに素であることと矛盾する。

以上より、いずれの場合を仮定しても矛盾するので、 a_2, b_2 は互いに素である。

 \text{(2)}
すべての正の整数 n a_{n} が奇数であることを数学的帰納法で証明する。

 n = 1 のときは問題の条件から奇数である。 n = k のときに  a_k は奇数であると仮定すると、

 a_{k+1}+ b_{k+1}\sqrt{2} \\
= (a + b\sqrt{2})(a_k + b_k\sqrt{2})\\
= aa_{k} + 2bb_{k}+ (ab_{k}+ a_{k}b)\sqrt{2}

したがって、

a_{k+1}= aa_{k}+ 2bb_{k}
 b_{k+1}= ab_{k} + a_{k}b

となるが、

 a_{k+1}は、奇数  aa_k と 偶数  2bb_{k} の和であるから奇数である。したがって、すべての  n  a_{n}は奇数である。

次に、すべての正の整数 n a_n, b_n が互いに素であることを証明するために、そうではないことを仮定する。

すると、  a_n, b_n が互いに素でない正の整数  n が存在する。その最小の整数を  m とする。 \text{(1)} で証明したことから  m \gt 2 である。

次に、 n = m + 1 の場合を調べると、

a_{m+1}= aa_{m}+ 2bb_{m}
 b_{m+1}= ab_{m} + a_{m}b

から、 a_{m}, b_{m} は互いに素でないから奇素数を公約数としてもつので、 a_{m+1}, b_{m+1} も互いに素ではない。この手続きは無限回繰り返すことができるので、「すべての  n \geq m a_n, b_n は互いに素ではない」(★)。


一方、問  \text{(1)} の結果から、 a_2, b_2 は互いに素である。

 a_{2}+ b_{2}\sqrt{2} \\
=(a + b\sqrt{2})^2\\
= a^2 + 2b^2 + 2ab\sqrt{2}

であったが、まったく同じようにして

 a_{4}+ b_{4}\sqrt{2} \\
=(a_2 + b_2\sqrt{2})^2\\
= a_2^2 + 2b_2^2 + 2a_2b_2\sqrt{2}

 a_{8}+ b_{8}\sqrt{2} \\
=(a_4+ b_4\sqrt{2})^2\\
= a_4^2 + 2b_4^2 + 2a_4b_4\sqrt{2}

 \cdots

となり、 a_{2^n}, b_{2^n} は互いに素であることが帰納法で簡単に示せる。

(以下証明)

 n = 1 のときは、 \text{(1)} で証明済み。 n = k のとき、 a_{2^k}, b_{2^k} が互いに素であるとすると、 n = 1 と同じやり方で  a_{2^{k+1}}, b_{2^{k+1}} が互いに素であることを示せる。
(以上証明終わり)

 2^{n+1} > 2^n であるから、 2^n \gt m となる  n が存在する。なぜなら、もしそうでないとしたら、正の整数 m が有限であることに矛盾するからである。そうすると、 m より大きな整数で  a_n, b_n が互いに素であるものが存在することになって、★ と矛盾する。

以上より、任意の正の整数  n に対して、 a_n, b_n は互いに素である。//