“Tea for Two” が1924年に作られたとわかって、同じ年に “Mound City Blue Blowers” の初めてのレコード・リリースとなった “Arkansas Blues” を思い出した。
Mound City という名称の市は実際にミズーリ州にあるが、ここで言う Mound City とは St. Louis のニックネームのこと。Red McKenzie が使っている楽器はカズーまたは、その代替である櫛 (に紙を巻きつけたもの) である。
それで自然に、やたら厚い装飾的音楽とは対極的で簡潔な味わいのある 1929 年の “Hello Lola!” を久しぶりに聴いた。
テナー・サックスはコールマン・ホーキンス、ドラムスはジーン・クルーパ、クラリネットはピー・ウィー・ラッセル、トロンボーンはグレン・ミラー、ベースはポップス・フォスターが参加している。後は、Mound City の面々で、レッド・マッケンジー(カズー)、エディー・コンドン(バンジョー)、ジャック・ブランド(ギター)。
同じ 1929 年の動画が残っている。マッケンジーの隣で叩いているのはトランク (スーツケース)。
こんな頃にロック・ミュージックは、まだまだ後の時代のことだと思うかもしれないが、ミード・ルクス・ルイスは、1927 年に有名な “Honky Tonk Train Blues” をパラマウント・レコードという会社で吹き込んでいる。会社が潰れてしまいテスト盤が少しだけ製作されただけに終わり、実際に陽の目を見るのは数年たって別のレコード会社で吹き込んでからだが、その音はジャズ(ブギウギ)というより、ロックンロールに聞こえてしまう。