ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (239)

1 次方程式の整数解を求めるやり方として, 共通テストで出題されるような簡単な問題は, 合同式で求めた方が早いと思うが, そうでない場合は, 連分数で求めることにしている.

不定方程式  ax+by=1 の整数解 (特殊解) を見つけたかったら,  b/a を連分数展開して,  b/a の直前の近似分数  d/c を求めてやると,

 \begin{align} \left|\frac{d}{c}- \frac{b}{a}\right| &=& \left|\frac{ad-bc}{ac}\right|
\\&=& \left|\frac{1}{ac}\right|
\end{align}

という性質があるので,

 |ad-bc| = 1

となり,  x=d,  y = -c または,  x= -d,  y = c が整数解のひとつとなる.

例として,

 115x + 366y =1 の場合には,
 \mathrm{gcd}(115,366)=1 だから, 整数解が存在する. まず,  \displaystyle{\frac{366}{115}} を連分数展開して,


 \displaystyle{
\frac{366}{115} 
\\= 3+ \dfrac{21}{115}
\\= 3+ \dfrac{1}{5 + \dfrac{10}{21}}
\\= 3+ \dfrac{1}{5+ \dfrac{1}{2 + \dfrac{1}{10}}}}

とし, 直前の近似分数は最後の  1/10 を切り捨てた,

 \displaystyle{
3+ \dfrac{1}{5+ \dfrac{1}{2}}
}

で, これを普通の分数に戻す.

 \displaystyle{
3+ \frac{2}{11} = \frac{35}{11}
}

したがって,

 \displaystyle{
\frac{366}{115} - \frac{35}{11} = \frac{366\cdot 11 - 115 \cdot 35}{315 \cdot 11}}

となって,

 x = -35,  y = 11 が特解として求まる. 後は,

 115x + 366y =1
 -115\cdot 35 + 366 \cdot 11 =1

から,

 115(x+35) = -366(y-11)

となって,  115366 が互いに素であることより,

 x = -35 -366k,  y = 11 + 115k
( k は整数)

のように求まる.


もう一題だけやっておくと,

 22x + 37y = 2

の場合は, まず,

 22x' + 37y' = 1

の特解を求めて結果を  2 倍すればよかった.

 \displaystyle{\dfrac{37}{22} = 1+ \dfrac{1}{1+\dfrac{1}{2 + \dfrac{1}{7}}}}

なので, 直前の近似分数は,

 \displaystyle{1+ \dfrac{1}{1+\dfrac{1}{2 }} = \dfrac{5}{3}}

したがって,  x' = -5,  y' = 3 となり,  x = -10,  y = 6 が特解として求まる.

したがって, 一般解は,

 x = -10-37k,  y = 6 + 22k
( k は整数)

となる.
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※ もっとも, この問題ぐらいだと, 合同式で, 以下すべて法  22 として,

 37 y  \equiv 2
 15 y \equiv 2 (A)

 2 倍して,

 30 y \equiv 4
 8 y \equiv 4 (B)

 (A) + (B) で,

 23y \equiv 6
 y \equiv 6

 y = 6 + 22k から,

 \begin {align} 
x &= \frac{2 - 37(6+22k)}{22}
\\ &= -10 -37k
\end{align}

と求まるのだから, 連分数の方が早いかどうかは微妙である.
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