三角形の面積を求めるヘロンの公式で, 三角形の周の長さに関連して
と置いているが, こう として置くことはヘロンの公式以外でも便利である.
の内接円が , , と接する点を とする.
だから, たとえば,
である. すると,
という, 覚えるのが簡単な式ができる.
傍接円の場合には, 下図で
となり, だから,
となる.
下図のように として, 辺 に接する傍接円と内接円の接点をそれぞれ , とし, , , とすれば,
だから, である. また,
である. の場合や, 違う辺の接点の場合も同様に求めることができる.
下図で, 傍接円の各辺またはその延長上の各接点 , , とそれぞれその辺と対する の頂点を通る三つの直線は一点で交わることをチェバの定理の逆を使って証明する.
//
の内接円が辺 と接する点を とする. このとき, と の内接円は接する. ( , , とする.)
の内接円が に接する点を , の内接円が に接する点を とする.
だから,
となって, で, である.//
同じような問題だが, 円に外接する四角形 があるとき, と の内接円は接する.
の接点を , の接点を とする.
だが, 四角形 は円に外接するので,
これから,
となって, である.//
底辺 の長さが , 内接円の半径が の二等辺三角形の面積を求めよ.
である. また, 二等辺三角形の面積を , とする.
ピタゴラスの定理から,
となって,
となる.
だから, 直前の式より,
となる. これを整理すると,
である.//
ヘロンの公式.
内接円の半径を とし, の面積を とすれば,
である. 傍接円の半径を とすれば,
これから,
である.
と は相似だから,
つまり,
したがって,
となる.//
※ 傍接円は つできるので, それぞれの半径を とおくと, 上のことから,
となり,
つまり
である. また,
である. (これは, ルーリエの定理と呼ばれる.)
//
※ ヘロンの公式はもちろん余弦定理を使っても導出できる.
だから,
したがって,
である.//